トップインタビュー:アマデウス、テクノロジーで変化に対応を
旅行会社の「IT」ニーズ増加
LCCも流通機能に食指
-航空会社向けのITソリューション事業で、契約社数が増えていると聞いています
ブレット GDS事業では世界最大のGDSのポジションを強固なものにできているが、航空会社向けIT事業は、それよりもさらに良い結果を出せている。非常に多くの航空会社と契約できており、最近ではエバー航空(BR)やタイ国際航空(TG)、大韓航空(KE)、アシアナ航空(OZ)など。もちろん全日空(NH)もそうだ。それ以外にも契約前の調整中の会社も複数ある。
NHの移行準備もうまくいっている。今後も多くの航空会社がアマデウスを優れたプラットフォームとして認識するようになるだろう。例えば、同じプラットフォームを使うため、ある会社の導入時に新しい機能を追加すると、他社も同じものを利用できるようになるのもメリットの一つだ。
-LCCについてはいかがでしょうか
大竹 流通契約についていえば、エアアジア・ジャパン(JW)を含めて国内LCCとの契約が進んでいる。トップの方とお話していると、やはり席を埋めなければならないという声が多い。確かに、ここまで競争が激しくなると、アマデウスを使って旅行会社経由でも流通したいというニーズが出てきている。
また、日本でのアマデウスのマーケットシェアが拡大している中で、特に業務渡航系や地方の旅行会社でも利用していただいている点をご評価いただいていると思う。
ブレット プラットフォームの移行は5年、10年先を見越しておこなうもの。変化の激しい航空業界の競争環境がそうした年月の先にどのようになっているかを考えた時、LCCが現時点では必要のないインターラインや流通などの機能を準備しておこうとしても不思議ではない。すでにジンエアー(LJ)が導入しており、他にも協議している会社もある。
LCCが登場した頃はインターネットによる直販のみという会社が多く、それまで飛行機に乗ったことのないようなお客様を取り込むことには成功した。しかし、市場が成熟してくると、LCCとFSCの境目が曖昧になってくる。
そしてFSCは新しいテクノロジーで運賃などの柔軟性を増し、「ローコスト層」のお客様を取り込めるようになるが、LCCは業務渡航など「ハイコスト層」を取り込めるのかどうか。
つまり、LCCは「なぜ流通経路をウェブだけに限定する必要があるのか」と考えるようになっている。旅行会社は依然として非常に大きな役割を担っており、今後もそれは変わらない。
LCC側の流通への興味はごく最近、この1年にも満たない間にかなり増えてきた。LCCが旅行会社にコミッションを支払っている市場すらある。この変化は予想以上に早いスピードだ。