現地レポート:台湾ランタンフェスティバルの魅力とツアーの可能性

  • 2012年2月24日

1000万人以上が訪れる台湾ランタンフェスティバル
活気に満ちた元宵節イベントをフックに地方都市へ

願い託した天燈、おごそかに

天燈は中の空気が十分に温まってから手を離すのがコツ  元宵節の時期は、台北や高雄、桃園、台中など各都市でランタン祭りが開催されるほか、新北市平渓の天燈祭、台東の炸寒單、台南の蜂炮(爆竹祭り)も有名。特に台北から気軽にアクセスできる平渓の合同天燈上げは、普段から旅行者の人気を集めている。天燈とは、竹の骨組みに油紙を貼った小さな気球のような灯りのことだ。

小グループで作業できる天燈上げは、MICEの素材としてもユニークだ  かつて炭鉱の町としてにぎわった平渓は、今は山間部を走るローカル線の平渓線が人気のエリア。平渓では元宵節に天燈を放つ風習があり、近年これを平渓天燈祭として展開している。今年の2月6日は2000個もの天燈が上がり、この小さな街に10万人が繰り出した。

 クラブツーリズムでは3年前から元宵節翌日に天燈上げイベントを企画し、ツアーを催行している。私たちが訪れた2月7日は雨交じりの横風が吹く悪天候となったが、大型バスを連ねて同社のツアー客が訪れていた。打ち上げられる天燈は、小学生の子供が2、3人すっぽり入りそうな大きさ。天燈に直接願い事を書き込み、熱気球の原理で次々と空に飛ばしていく。この日は横風に流されてものすごい勢いで飛んでいってしまったが、ゆらゆらと立ち昇る天燈がいくつも空を彩る様は、幻想的で美しい。日本の燈籠流しのようなおごそかな儀式でもあり、日本人のメンタルにあうイベントではないだろうか。

天気が良い日の天燈上げの様子  2月上旬に台湾各地で開催される元宵節のイベントは、台湾を訪れる動機づけの1つになるだろう。台北でも寺や廟がランタンで飾られ、普段とは異なる様子を見ることができるが、どうせなら台北から足を伸ばして地方都市を訪れるきっかけにしたい。日によってはまだ寒い2月だが、温泉や食との組み合わせで魅力的なツアーを組むことができそうだ。

 

エバー航空、キティジェット復活、
札幌、福岡、成田から台北・桃園国際空港へ

台湾ランタンフェスティバルに出展したBRのランタンはハローキティジェット  2005年から3年間運航したエバー航空(BR)のハローキティジェットが復活した。これはBRの20周年を記念し、サンリオとの再提携により実現したもの。札幌/台北線の「マジックスター」、福岡/台北線の「アップル」に続き、昨年12月26日に成田/台北線に「アラウンドザワールド」が就航した。

桃園国際空港に設置されたハローキティの自動チェックイン機  今回の視察では、成田14時発のBR2197「アラウンドザワールド」を利用した。機体デザインは、「BRでより近くなる世界の国々」がテーマ。機内の備品、客室乗務員のエプロンやブローチをはじめ、成田や台北(桃園国際空港)のチェックインカウンターにもハローキティがデザインされ、まさにキティワールド一色のフライトとなった。

 就航以来、札幌/台北線の「マジックスター」は就航率90%を超え、福岡/台北線の「アップル」も好評という。



取材協力:台湾観光協会、エバー航空
取材:竹内加恵