インタビュー:西鉄旅行商品企画室海外センター所長の田中正彦氏

-ほかに、九州市場の特徴があればお教えください

 やはりアジアに近いということは大きな特徴だ。韓国であれば飛行機で1時間30分程度、釜山は1時間程度。福岡/釜山間を結ぶ高速船「ビートル」でも2時間50分。九州の人にとっては国内旅行の感覚で訪れることができる。学生であれば、卒業旅行を2回にできたり、そういう意味でも九州の人はアジアに近い。

 その中で、行き先として最も人気が高いのは韓国だ。円高で旅行代金も安価で、短期間で訪れることができるからだ。また、韓流ドラマから化粧品、K-POPなど、女性層に人気がでたことも影響した。社内でも韓流好きの女性が「韓流ガールズ」というチームをつくり、商品造成をしている。

 また、アジアへの近さからインバウンドも入ってきているため、国際感覚を持っている人が多いように思う。こうした感覚は海外への興味、ひいてはアウトバウンド需要にもつながるのではないか。今後はアウト/イン双方に注力したいと思っている。


-ハワイを含めた長距離方面についてはいかがでしょうか

  チャーターベースでの送客だ。ハワイはほぼ毎月、中欧や北欧、スペインなどヨーロッパは夏に実施している。このほか、カナダやニュージーランドも設定している。また、九州は各県に空港があるため、より地元に近い空港から出発できるチャーターも設定している。

 今後については、12月28日にデルタ航空(DL)が福岡/ホノルル線の定期便運航を開始するため、ハワイはチャーターの数が減るだろう。4月にはハワイアン航空(HA)も就航するため、下期以降は全社をあげてハワイの販売を強化し、前年に比べて30%増の送客をめざしたい。