写真で見る2011年の旅行業界、1年の出来事を振り返る

  • 2011年12月26日

 景気の回復にともない、海外旅行者数が1700万人を超えると予想された2011年。しかし、3月に発生した東日本大震災や燃油サーチャージの高騰などを受け、予想通りの結果とはならなかった。ただし、このような状況の中でも、海外旅行者数は昨年を上回る前年比1.9%増の1695万人が見込まれ、来年の復活を期待できる兆しが見えつつある。トラベルビジョンに掲載したニュース写真を中心に、今年1年の旅行業界での出来事をまとめた。

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  • 2011年1月、チュニジアで発生した民主化デモは中東地域におよび、渡航情報の引き上げにあわせて日本発ツアーは中止。地中海クルーズもコース変更などを余儀なくされた。写真はチュニジアのシディ・ブ・サイド。チュニジアは7月に主要観光地域の渡航情報が引き下げられた。10月撮影時、観光客が戻りつつある

    チュニジア発端に中東でデモ多発

  • マリーナベイサンズが携帯電話のテレビCMに取り上げられ、大きな話題に。羽田国際化の後押しを受け、シンガポールへの日本人訪問者数は、10月までの累計で2010年の通年実績を上回る推移

    シンガポール好調、テレビCM契機に

  • 2011年2月、クライストチャーチで地震が発生。現在も市内中心部の一部は立入禁止だが、そのエリア以外の観光スポットや空港は通常通り。写真は2010年6月時点の市内の様子

    クライストチャーチの地震

  • 2011年3月11日に発生した東日本大震災。日本の旅行業界にも大きな影響を及ぼした。国内観光では被災地域のツアー、航空路線のキャンセルとなったほか、国際線は日本への運航便のキャンセルや変更も発生。在邦外国人の海外避難の動きもあった

    東日本大震災

  • 東日本大震災に対しては日本の旅行業界のみならず、海外からも寄付が贈られ、チャリティイベントなども行なわれた

    震災への支援

  • 東日本大震災後、旅行各社はがれき撤去や復興市への訪問、観光などを含めたボランティアツアーを発売。消費者の関心も高かった。震災は消費者の消費や価値観にも影響を及ぼした

    ボランティアツアー増加

  • 日本航空は再建の過程の中で、「原点」「初心」のシンボルとして鶴丸をモチーフにした新ロゴを導入。2011年の日本航空は、9月までの上半期で更生計画の目標値を達成するなど経営体質の強化を進めている

    日本航空、「鶴丸」で新スタート

  • 震災や原発事故により、インバウンドは大きな打撃を受けた。東京電力は観光業者への賠償を開始。インバウンドについては賠償対象時期の範囲の狭さや、新規予約控えに対する補償への対応など、今後の課題は多い。写真は通常、多くの訪日外国人が訪れる日光東照宮。4月中旬は国内旅行者を含め、人影はまばらだった

    原発事故で訪日激減、東電賠償開始

  • 標準旅行業約款の見直し検討会が始まった。業界環境が変化する中で新たな取消料率や旅行開始時期が決められようとしている。業界発展に向けて真剣な議論が続く

    約款の見直し検討会始まる

  • 日系LCCが誕生、ピーチ・アビエーション、ジェットスター・ジャパン、エアアジア・ジャパン。航空座席供給量の増加で新たな需要の拡大へつながるのか、注目が高まっている

    日系LCC誕生

  • 今年のJATA国際観光フォーラム・旅博2011(旅博)は日本旅行業協会(JATA)が単独開催、名称も変更した。テーマは「日本を元気に、旅で笑顔に。」で、震災復興、国内需要喚起で国内ブースも多く出展したほか、チャリティ・オークションも実施した。来場者数は、過去最多の11万7236人

    旅博に過去最多数が来場、「旅で笑顔に」

  • 今年のJATA国際観光フォーラムには、ジェイティービー(JTB)、エイチ・アイ・エス(HIS)、阪急交通社の代表取締役社長である田川博己氏、平林朗氏、生井一郎氏がパネルディスカッションに登場。業界をリードする3者の登壇で、業界の注目を集めた

    JATA国際観光フォーラム

  • スマートフォンの普及に伴い、旅行業界でもスマートフォンを活用した販売促進、マーケティングに注目集まる。JATA旅博でのセミナーで、最も多くの観客を集めたのが同テーマのセミナーだった

    ITマーケティング注目

  • 観光庁は「若者旅行振興研究会」を昨年に続き実施。研究会では、若者に訴求するための商品造成のためには「旅の目的の明確化」が不可欠とし、旅に出るきっかけの創出やICTツールの活用を提案。専用の「若旅ロゴ」も設定した

    若者旅行振興を議論

  • 羽田空港の国際化から1年。羽田発海外商品は定着化。オープンスカイの拡充により、来年に就航を表明する航空会社もあり、さらなる国際線拡大が見込まれる

    羽田発海外1周年、定着化

  • 今年も日本未就航の航空会社を含め、チャーターを活用した旅行商品が数多く設定された。チャーターに注目が集まる反面、機材トラブルや納入遅れなどで発売後に変更、中止されるケースもある。旅行会社側のリスクをいかに軽減するかが今後の課題だ

    チャーター商品、リスク軽減が課題

  • 全日空(NH)がローンチカスタマーとして開発から携わったボーイングB787型機が11月1日、岡山線で定期便として世界初就航。それに先立ち、10月26日には香港へのチャーター便を運航した。いよいよ新しい航空機の時代が始まる

    全日空、B787型機就航

  • エアアジアX(D7)は11月30日、2路線目となる関空/クアラルンプール線を週4便で開設。D7最高経営責任者のアズラン・オスマンラニ氏は関空の積極的な活用に意欲を示し、デイリー化に積極的な姿勢もみせた

    エアアアジアX、日本で2路線目

  • 長崎/上海間を約22時間で結ぶハウステンボスのHTBクルーズ。片道1万円以下の運賃設定をめざし、船内ではコンサートやイベントなども展開する計画だ。「ローコストでエンターテインメント性を高く」と、HTBクルーズ代表取締役の山本氏は意気込む

    ハウステンボス、クルーズ就航

  • タイで発生した大雨は10月にバンコク、アユタヤで大洪水を引き起こした。外務省は渡航情報を引き上げ、日本発ツアーは催行中止に。現在は水が引き、通常通りの観光が可能だ(12月12日撮影)

    タイ大洪水でバンコク、アユタヤツアー中止