フランス、3年ぶり「SAKIDORI FRANCE」を開催、プロヴァンス地方はラグビーW杯を軸に観光プロモーション
フランス観光開発機構は6月21日、22日の2日間にわたり、東京でワークショップ「SAKIDORI FRANCE」を開催した。コロナ禍により2年間、オンライン開催となっていたが、このたび3年振りに対面式で実施となった。フランスからは地方観光局をはじめとする23団体の観光ミッションが来日。日本からは旅行会社106名が参加し、事前設定アポイントメントによる414の商談会がおこなわれた。
また2023年ラグビーW杯の日本戦開催地となっているプロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方観光局は21日、22日にかけて旅行会社を対象としたセミナーとメディア向けの記者会見を開催し、同地方の魅力をアピールした。
「SAKIDORI FRANCE」は先行投資、数から質への商品造成を重視
今回の観光ミッション来日について、フランス観光開発機構在日代表のフレデリック・マゼンク氏は「例年25~29団体の参加があるが、コロナ禍後という状況や、ビザ取得など煩雑な手続きがある中、23団体の来日となったのは上出来。フランス側がそれだけ日本市場を重要視していることの証といえる。旅行会社と直接商談し日本の現状を実際に目にすることは、今後のマーケティングに生かすための重要な一歩となる」と語った。
現在のフランスではコロナ禍や昨今のウクライナ情勢による市場の変化を受け、1国当たりの訪問者数よりも、1人当たりの消費額や観光の質を重視する傾向にあるという。また4~5月にフランスを訪れたFITの日本人旅行者の人数は前年同時期比と変わらないものの、消費額は12%増となっており、マゼンク氏は「日本は非常に優良な市場として認識されている」と評価する。今後の市場回復については日本国内でのイベントを通して「コアなファン層やハイエンドユーザーをはじめ、ハネムーナーや女性三世代旅行を中心とした市場への訴求をおこなっていきたい」(マゼンク氏)と意欲を示した。
こうしたなか、航空座席の供給量増加は、とくにグループ旅行市場の回復に向けた課題となるが、マゼンク氏によると9月7日にはエールフランス航空(AF)が羽田/パリを週3便、現行の成田/パリ (9月1日から週4便)と関空/パリを週3便で運航する予定。
また現在、成田経由のパリ/ヌメア便についても、7月からエアカラン(SB)がヌメア/シンガポール便を就航することから、「成田便の需要が分散され、日本市場への座席供給に余裕が出てくるのでは」と期待を述べる。こうした状況も鑑みたうえで、「日本の需要回復は2022年秋から来年以降になるだろう。今回のミッション来日は日本市場に対する先行投資だ」と語った。