垣根を超えてマルチに働く環境づくりを-リーガロイヤルホテル(大阪)総支配人 中川智子氏
グループ旗艦ホテル初の女性総支配人として
女性の活躍と離職率の低下を目指す
中川 来年の新卒採用は本当に競争になると見ています。2025年の万博、その後のIRに向けて大阪には今後たくさんホテルができ、人材の取り合いになるでしょう。
総支配人として今やらなければいけないのは離職率を下げることです。そのために、大阪では3年ぶりにメンター・メンティ制度を復活させます。これは入社2年から3年目のスタッフの悩みや相談を、入社4年から9年目くらいの別部署のスタッフが聞くという取り組みです。他の部署から見ることで気づきもありますし、何で悩んでいたんだろうと、息抜きや気分転換にもなります。地道ですが、相談できることで考え方が変わると思っています。
中川 少なくとも3分の1まで減らしたいと考えています。ただ、何をすれば若者の辞めたい気持ちに歯止めがかかるのか、まだ掴みきれてないので、なるべく現場に出てスタッフと話したいと思っています。
先日は、夏場の女性ロッカーが暑い、ストッキングが汗で張りついて破れるという話を聞きました。調べると、冷房の吹き出し口の開け方が不十分であったのが原因でした。施設管理の担当は女性ロッカーに入らないため暑いことが分からず、女性スタッフたちも誰に言えばいいか分からず悩んでいた。現場にはそうした小さな問題がたくさんあります。それを拾い上げて解決できるような、部門を超えて自由に意見の言える会合を作るといいのかなと考えています。
中川 色々なことに好奇心を持つことがホテルマンには一番大切なことです。このお客様はこのホテルに何をしに来られたのか、興味を持つだけでどういうサービスするかが変わってきます。ラウンジでゆっくりしたい方、何か探している様子の方、待ち合わせの方。まずはお客様をしっかり見て、何を求めているかを感じ取り、どういうお声がけができるか、してもらいたいことをプレゼンできるかを考える訓練を続けてください。
「おめでとう」と話しているお客様の会話からさりげなくお祝いの気持ちをサービスをすることは、頼んでしてもらうサービスとは全く違うもの。それをスタッフに理解させていきたいと思っています。