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【フランス現地レポート】アフターコロナのフランス・ヴァカンス事情と、次のパリで訪れたい最旬スポット

  • 2022年6月13日

今年の夏、パリジャンのヴァカンス事情

  初夏のパリは一年中で一番美しい季節。現在も週平均で1日あたり約1万6000人のコロナ新規感染者(※1)が出ているものの、アフターコロナの世界を満喫するノーマスクのパリジャンたち(※2)は、パンデミックの後、2年ぶりの本格的な夏のヴァカンス・シーズン到来が待ちきれないようだ。

※1:5/27付フランス公衆衛生局発表
※2:5/16から公共交通機関でのマスク着用義務が解除され、フランスで残るコロナ関連の規制は、陽性後の隔離、医療機関等でのマスク着用義務と衛生パス提示義務、医療従事者等のワクチン接種義務のみとなった。

マレ地区のカフェ。週末のテラス席はいつもパリジャンと観光客で賑わう。

 調査会社マリオット・ボンベイによると、2020年以降、外国旅行をしたフランス人はわずか20%。約半数の48%は2019年夏以降、外国旅行をしていない。その反動で多くの人が今年の夏のヴァカンスはより長く、より費用を多くかけたいと思っており、外国旅行を計画中の49%のフランス人のうち約90%が、今年の夏のヴァカンス予算はいつもより多めに見積もっていると答えている。そのうち約57%が長期滞在を予定しており、ジェネレーションZ(18-24歳)の旅行者のほぼ10人に8人(79%)、25-34歳では68%にのぼる。

 今年の旅行トレンドは、「ストレス・フリー」、「エネルギー・チャージ」、「リラックス」。この夏、フランス人が長期休暇を過ごしたいと考えているディスティネーションは、従来から人気の高いギリシャ、オーストリア、スペインが上位を占める。日本食やサブカルチャーなど、パンデミック中も下火になることがなかった日本ブームを追い風にディスティネーション・ニッポンの再トレンド化を願うばかりだが、Covid19の収束と水際対策の緩和次第。まずは6月10日から段階的に再開される外国人観光客の入国の解禁・受け入れに注目をしたい。(※3)

※3:日本入国時の水際対策は「青、黄、赤」の3つの区分に応じてそれぞれ異なる措置が行われる。フランスは「青」に指定され、観光目的の日本入国も可能となった(当初は団体のみ) 参考:外務省

1612年、アンリ4世の命によって造られたパリ最古のヴォージュ広場。市民の憩いの場であり、パリで最も撮影が多い場所としても知られる。

次のパリで訪れたい最旬スポット

 2024年のパリ・オリンピック開催に向けて パリの再開発が急ピッチで進行中。政府・自治体の他、フランスの代表的なラグジュアリー・グループによるメセナ(社会貢献)の枠組みで、パリの歴史的建造物が次々とリノベーションされている。2021年5月 、8週間続いた3度目のロックダウンが段階的に緩和されたことを契機に、コロナ禍の中で改装工事が進んでいた多くの施設が競い合うようにリニューアルオープンした。

ブルス・ド・コメルス - ピノー・コレクション(Bourse de Commerce Collection Pinault)
 かつてパリ商品取引所として使われていた神殿を想起させる16世紀の歴史的建造物を安藤忠雄が現代美術館として甦らせた。2021年5月開館。フランスの富豪フランソワ・ピノー(グッチ、ボッテカ・ヴェネタ等を有する、ケリング・グループ)の個人コレクション約1万点を収蔵する。最上階には2017年にミシュラン3つ星を返上した伝説のシェフ、ミッシェルとセバスチャン・ブラス親子がプロデュースするレストラン・カフェ「La Halle aux Grains」がオープンした。

住所:2 rue de Viarmes 75001 Paris
開館:火曜を除く11時-19時 (金曜21時まで)、第1土曜の17時-21時入場無料
料金:一般14ユーロ、割引10ユーロ

南ファサードに残る1578年に建造されたマリー・ド・メディシスの宮殿の塔が最古の部分。その解体後、古代建築に着想を得た 18世紀末のユートピア建築の傑作と言われる穀物取引所が造られ、1889年のパリ万博の際、現在の姿に再構成された。

神殿のような外観にミニマルな内観。ガラスの丸天井の下に広がる壁画は1813年制作。5大陸間で商取引をする人々を描いたもの。©Tadao Ando Architect & Associates, Niney et Marca Architectes, Agence Pierre-Antoine Gatier Photo Marc Domage

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