【フランス現地レポート】アフターコロナのフランス・ヴァカンス事情と、次のパリで訪れたい最旬スポット
ル・グラン・コントロール(Le Grand Contrôle)
1681年、ヴェルサイユ宮殿の敷地内にルイ14世のお気に入りの建築家マンサールにより建造された「ル・グランド・コントロール」は、2世紀以上の時を経て2021年6月、ロマンチックな5つ星宮殿ホテルとして再生した。豪華な家具や調度品に囲まれた贅沢な空間の他、アフタヌーンティー、巨匠アラン・デュカス監修による朝食が宿泊料金に含まれる。また、営業時間外にオランジュリー等に特別アクセスできる他、朝のトリアノン宮殿散策、閉館後に鏡の間、ロワイヤル・チャペル、ロワイヤル・オペラ等、宿泊者限定プライベートツアーの特典がある。デュカス監修のレストランはランチコース90ユーロ~、ディナーコース280ユーロ〜。日曜限定のブランチ100ユーロ〜。
住所:12 rue de l’Indépendance Américaine 78000 Versailles
エッフェル塔のお色直し
年間700万人以上の観光客が訪れる(コロナ禍以前)パリの代表的ランドマーク、エッフェル塔は耐久性の確保の目的で、ほぼ7年ごとに塗装の塗り直しが行われている。1889年の完成以来今回で20回目にあたり、2022年の年末に終了する予定だという。1968年以降はパリの街に溶け込むような「エッフェル塔ブラウン」が採用されていたが、今回はギュスターヴ・エッフェルのお気に入りで1907年から53年まで半世紀に渡って使われた「黄茶色」が復活する。2024年のパリ・オリンピックでは陽の光を浴びた金メダルのように黄金色に輝くエッフェル塔を背景として、様々なイベントの開催が予定されている。また、2021年末に発表された10種類余りのフレーバーが楽しめる、ピエール・エルメの特製マカロン(1個2.5ユーロ)の他、2022年5月末オープンのミシュラン2つ星シェフ、ティエリー・マルクス監修の「マダム・ブラッスリー」等、ガストロノミーの楽しみも。
ノートルダム寺院の再生
2019年4月15日に起きた火災により尖塔部分が焼失し、屋根の2/3が焼け落ちる等、甚大な被害を受けたゴシック建築の至宝ノートルダム寺院。LVMHグループより2億ユーロ、ケリング・グループより1億ユーロをはじめ、世界中から総額約 8万5000ユーロ以上の寄付金が寄せられた。再建資金は十分確保されているものの、コロナ禍によるロックダウン、火災によって放出された有毒な鉛による周囲の大気汚染の影響等により、修復工事が大幅に遅れていた。火災から3年以上が経過し、2024年4月16日予定の再オープンに向けて、現在、急ピッチで工事が進行中。「完全に元の姿を取り戻すにはあと数十年かかるだろう。」という巷の噂があるものの、パリ・オリンピック開催までには見学者の立ち入りが可能になるのは確実のようだ。
※本記事は5月28日現在の情報を基に執筆しています。
1993年よりフランス・パリ在住、フリーランスの通訳コーディネーター・ジャーナリスト。旅行業界誌、女性誌への執筆、メディア・コーディネート等を中心に、近年インバウンド案件も数多く手がける。