豪州の「今」を駐在員の視点から-一時帰国で実感した日豪コロナ対応のギャップ
NHのチェックインは3.5時間前にオープンし、陰性証明書、日本入国時に必要なMySOSアプリのダウンロードの確認が行われます。特に陰性証明書については、パスポート番号、氏名、生年月日等、パスポートとの整合性を細かく確認していました。陰性証明書保持の確認、搭乗許可は航空会社の責任下にあることが推察されます。逆にワクチン接種に関しては一切聞かれず、これはワクチン未接種者も日本入国は可能で、入国後の隔離の有無は日本到着後の措置によるものからだと思われます。なお、陰性証明書は紙ではなくスマートフォンの画面提示でも問題なく承認されました。確認事項が多々あることもあり、チェックインには通常期よりも時間がかかります。
NH880便は驚きの満席状態。9割近くはオーストラリア在住の日本里帰り客と見受けられ、残りの1割は日本経由で他国へ行く外国人でした。
羽田空港での入国
羽田着陸は朝5時55分で、検査場の混雑により6時40分まで機内で待機しました。降機後は3ヶ所から4ヶ所のチェックポイントにて、陰性証明書、MySOSアプリ、ワクチン接種の有無などの確認が行われます。MySOSアプリを事前にダウンロードし、必要事項の入力、入国に必要な書類(陰性証明書、ワクチン接種証明書)のアップロードをしておくとスムーズに通過することが可能です(ファストトラック)。
書類の確認が終わると唾液による抗原検査を受診。オーストラリアからの入国の場合、ワクチン3回接種完了者は陰性であれば隔離を求められず、空港から公共交通機関の利用も可能です。筆者が最終的に外に出られたのは8時15分頃、着陸から約2時間30分後でした。
オーストラリア入国に必要なDPDの入力
オーストラリア入国に際し入力が必要なDPD(デジタル乗客宣言)は、3つのセクションに分かれていて、出発7日前より「Trip details」(フライト情報、搭乗者情報などの旅行詳細)、「Quarantine details」(ワクチン接種状況で隔離が決まる)の2セクションの入力が可能。最後の「Health information」はこの時点ではロックが掛かっていて入力できません。出発72時間前になると、「Trip details」で登録したeメールアドレスに英文で「Health informationの入力が可能になったので入力して下さい」というお知らせが来て、入力が可能になります。
オーストラリア連邦政府は4月17日から入国前のPCR検査及び陰性証明書の提示を廃止していましたが、筆者がオーストラリアに戻った4月20日の時点ではDPDのシステム上はそれが反映されていなかったため、イレギュラーの入力となっていました。今後この「Health information」の入力項目は随時修正が入って行くものと思われます。
DPDは、新型コロナウイルス感染対策として、オーストラリアに入国を希望する旅行者に対し、オーストラリア連邦政府により提出が義務付けられた宣言書ですが、現在機内で配布されている「入国カード」の紙での配布・提出が2022年半ばに廃止される予定のため、新型コロナウイルス収束後も、税関・検疫などの情報がDPDに盛り込まれると予想しています。
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