地域に分け入るJAL社員たち~熊本県編~

  • 2022年5月17日

「UKINISUM」で定住を促す宇城市
熊本地震の経験とともに益城町の魅力を伝える

-出向して最も解決したいと感じた課題は何でしょうか。

 益城町の名前を初めて聞いたのは熊本地震のときでした。震災の映像は非常に衝撃的で、「熊本地震で大きな被害のあった町」というどちらかと言うとマイナスのイメージがありました。ですが実際に住んでみると、復興は進んでおり、町内には空港が立地し、九州道のインターもあり、熊本市に隣接し生活にも至便。農業が盛んで美味しい農産物がたくさん育ち、それを生かした特産品もある。そんな魅力ある町であることがうまく発信されていないことが課題の1つだと感じました。

 そこで昨年度はJALの媒体を活用し、特産品や観光スポットなどの情報を発信したり、JALと京王百貨店の共同ECサイトで農産物の販売を始めるなど、少しずつ取り組みを進めています。また、今年度は大手流通などと協働した特産品開発やJAL機内誌での周知企画も実施する予定で、継続してプラスイメージを発信し、交流人口の拡大に努めていきます。

産業振興課商工観光係 大沼健太郎さん

東京生まれの東京育ちで、東京の民間企業で17年間勤務していましたが、ご縁あって熊本県益城町と出逢い、この地に惚れて、2年前に転職・移住しました。

現在は、(1)商工事業者の支援、(2)観光・特産品の開発・PR、(3)企業誘致 の3つを通して、益城町のにぎわいづくりに取り組んでいます。6年前の熊本地震や2年前からのコロナ禍など、町内を取り巻く環境は厳しいものがありますが、にぎわいのある、住みやすい町を目指して、引き続き全力で頑張ってまいります。

-観光資源やお薦めの食、特産品などをご紹介ください。

 「布田川断層帯」のズレによって、2016年に熊本地震が発生しました。益城町の地表に現れた3か所の断層は、その学術的な価値と震災遺構としての価値が評価され、2018年に国の天然記念物に指定されました。これら断層のある場所で、住民の方々が語り部として、熊本地震時のご自身の経験を全国の方々に伝える活動をしてくださっています。

断層の横ずれ跡の前で熊本地震の経験を語り伝える

 また、毎年11月ごろに出荷される「冬スイカ」や、全国的にも有名な「太秋柿」などの農産物が町の特産品です。

-地域が抱える課題や目標、それに対する取り組みについて教えてください。またその課題のなかで、JALからの出向者の方に期待することは何でしょうか。

 熊本地震からの復旧・復興やコロナ禍への対応に加えて、益城町に関心や関わりを持っていただけるような魅力的な町を目指しています(=定住人口や関係人口の増加)。

 熊本は全国有数の農業県で、益城町も農業が非常に盛んな地域です。冬スイカや柿に加え、コメや芋、トマト、ミニトマト、ニラ、栗、メロン、茶等々、さまざまな種類の野菜・果物を栽培しています。非常においしい農産品をPRする、加工してさらなる付加価値を付ける、といった取り組みを進めていくにあたって、川合さんの存在はとても大きいです。川合さんの企画力、町内外さまざまな方々との人脈、そして想いを具現化する実行力のおかげで、益城町の特産品を全国に発信できており、本当にありがたく、また心強く感じています。