グアム、回復期の誘客戦略は?目標や座席見通しも

9月までにグアム全市場全体で13万人の来訪と航空座席の回復を見込む

 2022年度上半期(2021年10月~2022年3月)の日本人訪問者数は前年度比85%増とはいえ2900人で、2019年度の66万4784人には遠く及ばない。しかし、9月末までの通年で7万人という高い目標を掲げている。

 この前提となる航空路線は、現状ではユナイテッド航空(UA)が5月7日から土日をダブルデイリー化して週9便としており、6月2日からは月曜日と木曜日にも追加して週11便となる。

 グティエレス氏はさらに、日本航空(JL)についても「7月か8月には復便してくれるのではないか(編集部注:取材時、グアム線の運航再開は未発表)」とコメントし、ティーウェイ航空(TW)とチェジュ航空(7C)の復便にも期待。チャーターの交渉も進めていることも説明した。GVB日本オフィスによると、2019年の座席数が約84万席であったのに対し、今年は冬ダイヤの動向にもよるものの30万席程度になると見ているという。

開放感や癒やしにスポットライト、TikTokなど積極活用も


※クリックでTikTokに遷移

 マーケティングでは、コロナ禍でストレスを抱えた消費者に対し「心の開放(Unleash)」「刺激(Inspiration)」「超自然(Spiritual)」をアピール。マーケティング担当ディレクターのレオンゲレロ氏は、「グアムは日本にとって庭のようなとても近い存在で、来ていただいた皆様はリフレッシュしたり日常生活から解放されたりしてきた歴史がある。コロナのストレスにさらされた今こそ来ていただき、新しい世界に進んでいただくきっかけをご提供したい」と期待する。

 コアターゲットとするのは、コロナ前にも訪問者の大半を占めていたZ世代とミレニアル世代で、TikTokなどを活用して需要を喚起しダイナミックパッケージなどオンラインでの購入に繋げていく。

 一方、旅行業界向けの取り組みでは、GoGo! GUAMキャンペーンでの共同プロモーションのほかメールマガジンやセールスコールを通して情報を発信。さらに、「グアムに来て実際に我々がお伝えしていることが事実だと確認していただき、お客様にお伝えいただくのが旅行会社との間で実現したい協調的関係」(グティエレス氏)との考えのもと、FAMツアーも計画している。

 FAMツアーについては、年度内に2回実施して合計で100名程度を招待する考え。1回目は6月に決定している。