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ハワイ、日本市場の復活に期待 「マラマ」を体現する観光客のスタンダードに

 日本旅行業協会(JATA)は、4月3日から5日にかけて、会長の高橋広行氏(高ははしごだか)を団長とする視察団をハワイに派遣し、現地行政のトップや観光関連事業者らと会談した。4月1日より外務省の感染症危険情報レベルが3から2に引き下げられ、募集型企画旅行の造成が可能となったことから、会談では日本からの観光客の復活に向けた課題や要望などが話し合われた。本記事では会談の模様とハワイ州知事デイビッド・イゲ氏、ハワイ・ツーリズム・オーソリティ(HTA)局長兼CEOのジョン・デ・フリーズ氏へのインタビューを通して、ハワイの観光産業の現状と日本市場に求められていることを探っていく。

上下院議長、各郡長らとの会談はハワイコンベンションセンターで行われた

 ハワイへの観光客はコロナ前の2019年には1000万人を超え、内150万人を日本人が占めていたが、21年の日本人渡航者は2万4000人にとどまった。一方21年は米国本土からの旅行者が19年比110%まで急増。日本市場のプレゼンスが低下し、旅行手配にも支障をきたすことが懸念されている。視察団の派遣は現地の受け入れ状況を確認するとともに、日本の存在をアピールする狙いもあった。

 4日に行われた会談で、高橋会長は「ハワイは日本の海外旅行市場にとって最も重要で素晴らしいデスティネーションの1つ。ワクチン接種も進み、トンネルの先に光が見えてきた。海外旅行復活の第一歩としてハワイ旅行を推進していきたい」と述べ、夏までに募集型企画旅行の造成を再開することを表明。また、業界全体でハワイ旅行を促進し、ハワイ経済の活性化に貢献していきたい考えを示した。

 これに対しハワイ州上院議長のロナルド・コウチ氏は、「米国本土やカナダからの旅行者を中心に観光市場は回復しつつあるが、消費額は日本やアジアからの旅行者に及ばない」と現状を説明。日本からの旅行者にはハワイの人々や自然を敬う気持ちがあり、ハワイにとっては経済的にも旅行者の質の面でも非常に大切だと述べた。またハワイ州下院議長のスコット・サイキ氏は、ハワイと日本の文化的・歴史的な繋がりに触れ、「観光は外交の1つ。観光を通じてより強固な関係を築くため、日本からの旅行の再開に向けできる限りの支援をしていく」とコメントした。

 HTAのフリーズ局長兼CEOは、ビジネスの促進には文化の相互理解が重要になるとしたうえで、「ハワイのアイデンティティとして知られる『アロハスピリット』を日本人も尊重してくれているが、これと並んでHTAの活動の根底にあるのが『守る、大切にする』という意味の『マラマ』。今後はビジネスの関係もマラマの心を持って進めたい」と述べ、ハワイの自然や文化、地域社会を守りながら観光による経済の活性化を進めていくHTAの方針を強調した。また、日本とハワイの文化や価値観が似通っていることから、「日本人旅行者には観光客のスタンダードになってほしい」と求めた。

左から青木豊在ホノルル日本国総領事、コウチ上院議長、サイキ下院議長、フリーズ局長兼CEO、高橋会長

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