ランデヴーアンフランス2022が3年ぶりに開催、ラグビーW杯やオリパラを軸に日本市場の需要喚起へ
3月22日、23日の2日間にわたり、フランス中西部のペイ・ド・ラ・ロワール地方のナントで「ランデヴーアンフランス2022(RVEF 2022)」が開催された。フランス最大のトラベルマートで、2019年以来3年ぶりの開催だ。フランス国内の観光局やホテル、アトラクションなど668団体のセラーが出展、日本を含む世界57か国・地域から587人の旅行会社と25人のジャーナリストが一堂に会し、約2万のビジネスミーティングがおこなわれた。
コロナ禍前の2019年は出展者が788団体、バイヤーは70か国・地域から910人で、今回は2019年と比べ約7割程度の規模となったが、トラベルマート実施前にはフランス各地の地方観光局主催によるプレツアー40本が催行されるなど、世界の旅行業界の注目の高さがうかがえた。
旅行業再開に世界の強い意欲
フランス政府は2022年に入ってから新型コロナウイルス感染者の減少を受け、段階的に国外からの入国規制を緩和し、国内についてもレストランや文化施設などでのマスク着用義務の解除を進めるなど、「ウィズ・コロナ」政策へと舵を切っている。
トラベルマートの記者会見では、フランス観光開発機構(Atout France)総裁のカロリーヌ・ルブシェ氏によるパンデミック後の方策が発表され、アウトバウンド再開におけるリカバリー施策として、まずはEU圏を中心にプロモーション活動をおこなうほか、北中南米・日本・韓国などについては世界的スポーツイベントのPRを通して需要喚起を図ることが述べられた。
具体的には、まずはベルギーやドイツ、英国など近隣欧州諸国を中心にリカバリーを図るほか、アメリカやカナダ、メキシコ、日本や韓国などのロングホールマーケットについては、「2023年ラグビーワールドカップ」「2024年パリ・オリンピック・パラリンピック」といったイベントをフックとして需要喚起につなげていきたい考えだ。
今回のRVEF2022の開催は、観光業が主要産業の一つであるフランスにとって重要な一歩となる。ルブシェ氏は「この2年間、観光業にとって厳しい状況が続いてきた。現在の国際情勢も心配だが、RVEFを通して世界各国からの旅行業者に再びフランスを見ていただけたことをうれしく思う」と語ったうえで、今後の方策として、持続可能な観光開発を軸にSDGs、デジタル化などの技術を投入しながら観光素材の見直しや再構築を図るほか、ホテルの格付け制度を刷新すると述べた。さらに、中・長期的には観光客の動向やニーズなどの分析を通して、新たなビジネスモデル構築へとつなげる計画だという。