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金沢から新たな北陸観光のスタイルを切り開くー高田産業グループ

ホテルを観光のプラットフォームに
3世代の家族旅行に選ばれる宿を目指して

 2015年に異業種からホテル事業に参入して以来、旅行事業、バス事業と、金沢の観光産業で拡大を続けてきた高田産業グループ。地元に根付いた独自の視点で新たな観光スタイルを生み出すグループ代表の高田直人氏と、高田氏の次男でホテル事業を担う取締役の恒平氏に話を聞いた。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹) ※高田直人氏、恒平氏、およびグループ名の「高」ははしごだか

左から高田恒平氏、高田直人氏

-まずは貴社並びにお二人の自己紹介をお願いいたします。

高田直人氏(以下敬称略) 高田産業グループは生コンクリートや土木建築、道路舗装などを行う事業会社が連なるグループです。先代が創業し、現在私が2代目です。近年新規事業として参入したのが観光業で、既存事業の工場跡地を活用して、2015年に「金沢彩の庭ホテル」を開業しました。3世代の家族連れやグループのお客様に来ていただきたいと考えて作ったホテルなのですが、どうしても価格競争に巻き込まれてしまうため、タビマエやタビナカで色々と相談ができる付加価値のある宿にしようと思い、2018年に「金沢アドベンチャーズ」という旅行会社も立ち上げました。そのほか、ラグジュアリー中型バスも保有しています。

高田恒平氏(以下敬称略) 私は大学で法律を勉強していましたが、在学中にグループがホテル業に拡大することが決まり、新卒で六本木のグランドハイアット東京に入社しました。ベルやハウスキーピング、フロントなどでホテリエとして修行したのち、2021年6月にホテル事業を担うため帰郷しました。

直人 観光事業をいよいよ軌道に乗せるぞという段階でコロナ禍に見舞われてしまったので、今は他のホテルとの差別化を意識し、リスタートのつもりでホテルの改装にも着手しています。

恒平 改装が終わると、総客室数は64室から58室になります。ホテルの利用者は、コロナ前はおよそ7割が日本人、3割が外国人という比率でした。バスも外国人の利用も想定した仕様になっています。金沢アドベンチャーズでは訪日旅行を考えている方々に向けて英語やスペイン語のウェブサイトも作り、SNS等を通じて情報発信も行っています。

-宿泊と観光の一体化に向けて様々な取り組みをされています。

恒平 「金沢に来てから何ができるか」という切り口で、1日単位でのバス周遊パッケージや体験プログラムをホテルとセットにして提供しています。ホテル、バス、旅行という事業がうまく嚙み合えば、「とりあえずこのホテルにお越しいただければ金沢を満喫できる」と、ホテル自体を観光のプラットフォームにしていけるのではないかと考えています。

直人 色々なところを旅していますが、旅行会社がパッケージ化したツアーでは、お土産物屋がある休憩所が必ず組み込まれていて、うんざりしたことがあります。そのような経験から、弊社のバスはお客様それぞれが行きたいところ、やりたいことをリクエストできるような使い方をしてもらいたいと思っています。

 現在保有しているのは、中規模グループに対応できるよう26人乗りを15人乗りに改装したバスが2台、ほかに11人乗りのバスもあります。これらを活用していかにホテルに集客していくかが当面の課題です。

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