itt TOKYO2024

金沢から新たな北陸観光のスタイルを切り開くー高田産業グループ

ホテルを観光のプラットフォームに
3世代の家族旅行に選ばれる宿を目指して

-ホテルの特徴やセールスポイントをお聞かせください。

恒平 ホテル内には随所に金沢を感じられる場所を設けています。例えば、ロビーには金沢で350年の歴史を持つ大樋焼の作家、十一代大樋長左衛門氏の作品を飾っています。ほかにも地元の作家さんや金沢卯辰山工芸工房の学生さんの作品などを各階に展示しており、「金沢にどっぷりつかれるホテル」です。お子さんがのびのび自由に動き回っても親御さんが安心していられるよう、展示方法も工夫しています。

直人 ホテル名にもなっている庭は、心安らいでいただける場です。誤算だったのが大浴場。各部屋にゆったりとした浴室を備えているので、本来はそちらをメインに、大浴場はおまけくらいのつもりだったのですが、最近はビジネスホテルにも大浴場があるのが当たり前になってきていて、皆さんこぞってご利用されるため、もう少し大人数を収容できるようにすればよかったと思っています。また、女性の比率が想定より高く、多いときは7割ほどになるので、その点も昔のイメージに固執してしまっていたかなと反省しています。

-マーケティングや流通についてはどのようにお考えですか。

直人 稼働率については、数を目標にすると安売りに陥ってしまうため、リスタート計画として、一定の稼働を前提として将来への投資余力も蓄えられるような想定を作っていく必要があると考えています。流通に関しては、やはりなるべくコストを抑えてお客様に還元したいですが、現時点では自社だけで十分な集客するのは難しく、OTAの力も借りています。お客様の行動や販促コストを踏まえたバランスが重要です。特に金沢彩の庭ホテルのターゲットは年齢層が高めなので、OTAを経由してホテルの良さや提供するサービスをしっかり伝えるのが難しいなと感じています。

恒平 例えば、周遊バスで金沢を巡るプランは通常6000円なのですが、宿泊客の方には3000円で提供しています。しかし、ホテルに到着してからご紹介しても、旅行前に計画を練ってこられる方が多いので、ご利用に至らないケースもあります。早いタイミングでコミュニケーションを取れないと、アドバイスを求めているお客様に然るべきタイミングでご紹介できないというもどかしさはありますね。

 タビマエにコミュニケーションを取る場というとやはり最初に浮かぶのは旅行会社の問い合わせ窓口なので、金沢アドベンチャーズのウェブサイトでは簡潔にバス周遊プランの予約から決済まで完結できるようにして、旅行の相談も受け付けています。

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