令和トラベル、アプリで海外ツアー販売開始、まずはハワイ-創業メンバーに今後の戦略を聞く
デジタル化促進、アプリの「プラットフォーム化」めざす
受田氏はターゲット層について、まずはアプリを使いこなしやすい20代から30代をメインに据えることを説明。その上で「誰でも簡単に予約できるのがめざすところ。どの年代にも使って満足していただけるようなものを作りたい」との考えで、さらなる改良を進めていく。現在は手配などでアプリの運営に人的リソースを割いているが、将来的には完全にデジタル化する予定。現在は各GDSとのAPIをはじめとしたシステム開発を進めているところだ。
ただし、受田氏は「ヒューマンタッチが必要な部分は(ハネムーンパッケージなど)高額商品など旅行においてある。システムと人を棲み分けし、人でやっていくウェットな部分は残す」との考えを示した。事実、「トラベルコンシェルジュ」については自社スタッフがチャットやズームで顧客とコミュニケーションを取っており、好評に推移しているという。
今後は総フォロワー数3万件という、TwitterやInstagramなどのソーシャルメディアのアカウントやターゲティング広告などで、サービスの認知拡大をめざす考え。5月にはNEWTウェブ版をオープンし、ウェブ上でも旅行予約ができるようにするほか、メタサーチにもツアーを登録していく予定という。
現在ツアーはハワイのみで、自社で仕入れをして商品を造成。FITベースのツアーが中心だが、有識者と行くアートツアーなどのテーマ型ツアーは日本から案内人が同行する予定だ。ホテルや航空券はサプライヤーとの直接契約に加え、ランドオペレーターや航空券ホールセラー経由で仕入れを実施しているという。受田氏によると、ライバルは大手旅行会社をはじめとした海外パッケージツアーを販売している会社という。
取り扱う方面については各国の情勢を見極めた上で徐々に増やしていく計画で、「まずは日本人がよく行くアジアのリゾートやヨーロッパ、アメリカ。今年度中にはメインとなるデスティネーションをほぼ開始できると考えている」という。なお、アプリ上には「Coming Soon」として韓国、アメリカ、スペイン、グアム、タイ、イタリア、台湾の名が掲載されている。
このほか、受田氏は国内旅行や訪日旅行を扱う可能性について「検討しているが具体的に落とし込んではいない」と説明。1年に行く回数がそれほど多くない海外旅行に対し、回数が多い国内旅行を扱うことでアプリの利用率を高めていくことは検討しているが、国内旅行はデジタル化しているOTAの優位性が強く、利益率を考えても厳しいことから、まずは海外旅行に注力していく方針だ。
受田氏は将来の展望として「NEWTのアプリ1つで簡単に海外旅行に行けるような状況を作りたい。旅行の予約から旅行後まで一気通貫でアプリを利用でき、困ったらアプリを開けば解決できるようにしていきたい」と語った。今後はアクティビティ会社などパートナーとのAPI連携などの取り組みを通して取り扱う商材を増やし、アプリのプラットフォーム化をはかるという。