フィリピン観光大臣が来日、WTTCで観光復興と投資の誘致にはずみ
フィリピン観光省は「世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)」の第21回グローバルサミット(2022年4月20~22日)がマニラで開催されるのに先立ち、WTTCのメンバーとともに、観光大臣のベルナデット・ロムロ・プヤット氏が来日し記者懇談会を開催した。今年2月に再開した海外観光客受け入れの最新状況やインバウンド・アウトバウンドの双方の取り組み、WTTCグローバルサミットの意義などについて説明した。
2月22日現在、フィリピンの新型コロナ新規感染者数の1日平均は943人で、ピークだった1月18日の3%にまで減少している(ロイター調べ)。2月10日から日本を含むビザ免除国157カ国を対象に外国人観光・ビジネス客の受け入れを再開した。現状についてプヤット氏は「まず、日本政府が外国人渡航者について徐々に国を開いているのは心強い。フィリピンもこれまで海外からの渡航者に関しては厳しく接してきたが、ようやく2年ぶりに海外渡航者を受け入れ、ワクチン接種やPCR検査による陰性証明など一定条件のもと検疫も緩和した」と述べた。
現在、フィリピン入国に際しては、有効なワクチン接種証明書、出発前48時間以内に受検したPCR検査の陰性証明書または出発前24時間以内に医療機関で実施した抗原検査の陰性証明書、新型コロナ感染症治療の最低補償額3万5000ドル以上の海外旅行保険加入と30日以内にフィリピンから出国する航空券を提示すれば入国後の隔離は免除される。
2月10日から3月14日までの約1ヶ月で1637人の日本人がすでにフィリピンを訪れており、プヤット氏は「この数字はまだ少ないと思えるかもしれないが、前向きのスタートと捉えている。そのうち、フィリピンを訪れる日本人がコロナ禍前の68万2788人(2019年)と同等かそれ以上に増えると考えている。日本への観光の機会が開かれた暁には双方向で協力して、観光の復興に臨みたい」と意欲を語った。
またWTTCグローバルサミットについては「日本も2012年に仙台・東京で第12回WTTCグローバルサミットのホストをされているので、その重要性については理解いただけると思う。『旅の再発見』をテーマに観光業界の著名人や官民の重要人物が、今日の観光における問題を議論する場であり、日本を含む世界の旅行関連企業のトップにも参加いただけると思う」と述べ、その目的について「旅行の安心安全の再開を軸として、投資・誘致による経済回復を支援すること」とコメント。サミット参加者向けには、イベント前後に様々な現地ツアーを実施してフィリピンの楽しさを体験してもらう予定だという。
現地ツアーでは「ルソン島パンパンガ州のクラーク経済特区への投資ツアーなど、観光関連の投資機会も紹介する。革新的な創造性やデザインも高く評価されている新クラーク国際航空に近い将来、日本の航空会社の乗り入れも期待する」(プヤット氏)と述べ、そのほかパラワン島、シアルガオ島などの観光投資ポートフォリオ全般ついてもアピールした。
プヤット氏のスピーチからは、WTTCグローバルサミットを本格的な観光再開の機会ととらえ、日本との双方向での観光復興、投資誘致など非常に前向きに臨む姿勢が伺えた。最後に、会場となった帝国ホテルで4月1日~30日に開催予定の「フィリピンフェア」でも提供される伝統料理や家庭料理をアレンジしたメニューがふるまわれ、フィリピンの食の魅力も披露された。