ハワイの「今」を駐在員の視点から-進む規制撤廃、浮かび上がる新たな問題
3月になり、ホノルルは過ごしやすい気候の毎日が続いています。時折、日焼けが気になるほど暑い日もありますが、反面、最低気温が20度を下回る日もなく、窓を少しだけ開けて外気を感じながら心地よく眠れる夜を満喫しています。
ワイキキビーチでは、春休みを目前に控え、観光客は増えてきたように思います。地元のハワイ州民も、隣島への小旅行、メインランド観光、恒例だったカナダへのスキー旅行を再開する人など、休暇を楽しむ日常に戻り始めています。
年明け早々の1月には大騒ぎとなっていた新型コロナウイルス、オミクロン株ですが、2月の感染者数は予測通り順調に下降を続け、完全にピークアウトとなりました。規制に関するアクションが早いマウイ島では、2月末には既に規制を撤廃しており、続いてホノルルも今月上旬に向けて撤廃を検討と報じられています。
オミクロン株により約2ヶ月間つまづいた復興中のハワイの現況と、コロナ禍の影響で日本からの観光客の再来時に少し気になるマイナス面についてレポートします。
ピークアウトしたハワイのコロナウイルス感染状況
2月末時点でのハワイ州の新規感染者数比(7日間移動平均値)は以下となっています。
市郡 | 陽性率 | 州全体 | ホノルル | マウイ | ハワイ | カウアイ |
---|---|---|---|---|---|---|
新規感染者数(12月) | 14.1% | 1752.0名 | 1459.7名 | 135.3名 | 97.1名 | 59.9名 |
新規感染者数(1月) | - | 3282.4名 | 2243.7名 | 489.9名 | 339.3名 | 209.6名 |
新規感染者数(2月) | 3.6% | 303.6名 | 183.7名 | 37.1名 | 54.0名 | 28.7名 |
オミクロン株の確認前、昨年11月時点の感染者数100名以下、陽性率1%台という状態までには回復していませんが、完全にピークは過ぎ、減少を続けています。1日あたりの新規感染者数も、2月8日を最後に1000名を下回り始め、最近では100名台前半の日も増えてきています。ハワイ州政府の行う対策は、引き続き、週末も受診可能な無料の抗原検査会場の継続に加え、臨時の検査場も島内各地で設営しています。
ホノルル市民の生活の様子
日々の新型コロナウイルスの蔓延状況は、毎日午前中に発表される新規感染者数により知ることができます。また、家庭内に小・中・高校に通う児童がいる場合は、学校から届く新規陽性者発生のお知らせで「身近な感染状況」も知ることができます。
把握後の対応ですが、ワクチン接種済みである場合、濃厚接触であっても自主隔離は不要なため、「特に何もしない」というのが実情です。また、これまでの感染者総数が23万人を超え、州人口145万人うち約16%が感染を経験しており、抗体を持っているという安心感がある人も少なくないと思います。
マスクについては、学校や店舗など、屋内での着用義務は引き続き実施されていますが、義務のない屋外では着用している人は少なくなっています。ただ、ハワイは高齢者の割合が比較的高いので、特に祖父母と同居している人は屋外でもマスク着用を徹底しているように思います。
次ページ >>> ワクチン接種率は足踏み状態