おもてなしのプロフェッショナルから地域に愛される支店づくりへ―JL新潟支店長 筒井玲子氏

  • 2022年2月22日

新潟の「当たり前」を全国に広めたい、客室乗務員の経験を活かした地域創生

 子どもの頃から客室乗務員に憧れ、日本航空(JAL)入社後は乗務一筋の日々を送ってきた筒井玲子氏は、2021年11月、新潟支店長の辞令を受けた。「20数年間勤めていてこんなに驚いたことはなかった」というが、長年の乗務で培ったスキルと経験を活かし、新天地で積極的な営業活動を行っている。新たな仕事に前向きに取り組む筒井氏に、キャリア転換への思いや支店長として目指す姿を聞いた。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

筒井氏。支店長の業務の傍らフライトを務めることも。(インタビューはオンラインで実施)

-はじめにご自身の紹介をお願いいたします。

筒井玲子氏(以下敬称略) 私は東京で生まれて横浜で育ちました。小さい頃に客室乗務員―その頃はまだ「スチュワーデス」という呼び方でしたが―が主人公のテレビドラマを見て、「やってみたい」と憧れを抱いたことが、客室乗務員を目指したきっかけです。無事JALに客室乗務職として入社することができ、以来国際線を主として乗務してきました。途中、訓練教官などの地上業務にも携わりましたが、社歴の割には地上業務の経験が少なく、乗務中心の生活でした。管理職になってからも、乗務を軸としたマネジメントに重きを置いており、客室内の安全やサービス品質を向上すべく、部下と共に乗務する日々を送っていました。

-今回の人事は晴天の霹靂だったのでしょうか。

筒井 20数年間勤めていてこんなに驚いたことはありませんでしたが、新しいことに挑戦できると少しワクワクした感じを覚えています。私は新潟には縁もゆかりもなく、それまで訪れたこともありませんでした。ですが、これは住んでみて初めて分かったアドバンテージですが、何も知らないからこそ、地元の方が気づかない土地の良さに気づくことができます。寒さには慣れていないので、オイルヒーターとエアコンをフル稼働させていますが、住めばかなり都です。

-地縁のない場所での新しい仕事にはご苦労も多いと思います。

筒井 客室乗務員の仕事は、安全とサービスの品質を管理すべく、定められたマニュアルを遵守して、そのなかでいかに裁量を発揮していくかに重きが置かれています。また、これまでは限られた飛行時間のなかで目一杯集中力を働かせ、緩急をつけた仕事の仕方をしてきました。ところが、営業の仕事はこれとは全く異なり、創造性や独自性が求められます。アイデアを膨らませ、いかにお客さまに興味を持っていただくか。商品知識だけでなく説明力も必要です。

 この仕事では、今まで自分が使っていなかったスキルを磨いていく必要があると思っています。一方で、乗務職として長年培ってきたコミュニケーション力やチャレンジ精神、危機管理力などは現在の仕事にも活きていると感じています。

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