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アバター活用やウエディングも 人気水族館の新しい顔-沖縄美ら海水族館 管理部統括 佐藤圭一氏

  • 2022年1月7日

科学や教育を観光の新たな魅力に
地域振興や環境保全、海洋教育も担う

―今後、観光産業との協業はどのような切り口が良いとお考えでしょうか。

佐藤 これまでも沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)をはじめとした観光団体や企業の方々と手を携えてきましたが、これからはいかに安全に滞在型の旅行をするかが重要なポイントだと思います。その上で、将来的には長期滞在やナイトエンターテイメントを切り口としたコンテンツを充実していければと思っています。例えば昨年は近隣のホテルに滞在している方をターゲットにして、夜の水族館での演奏会を企画しました。水槽の前は元々マイクを使うことを想定しているため、実は音響環境は悪くないのです。

 夜の海洋博公園を散策して、そこに生息する野生動物を観察するといった企画もできそうですよね。沖縄は夜のコンテンツがまだまだ少ないので、近隣の事業者と連携して、安全に配慮してのんびり楽しむことができる取り組みを進めていきたいと思っています。

―地域や環境に対する取り組みについてお聞かせください。

佐藤 これからの観光の課題になってくるのが、持続的な観光開発でしょう。環境に配慮しながらいかに観光を発展させるか。地域の資源を活用して末長く観光地として続いていくよう取り組む必要があります。当館も、今は自家用車やレンタカーでの来館が大半ですが、将来的には公共交通機関やスマートな交通インフラに対応していくことも課題の1つだと考えています。

―観光産業の従事者にメッセージや提案をお願いいたします。

佐藤 はじめにお伝えした通り、当館は海洋生物の調査や研究も行っており、研究業績も世界最多のレベルです。単なるレジャー施設ではなく、観光の魅力の1つとして、科学や教育という分野にも着目してもらえたらと思います。

―最後に、この近辺を大人が楽しみ尽くすとしたら?

佐藤 海洋博公園は沖縄をテーマにした公園であり水族館です。沖縄のありのままの自然を存分に楽しんでもらいたいと思います。敷地も広く、ウォーキングや健康づくりにも最適です。水族館のほかに熱帯ドリームセンターという世界有数のランが見られる植物園もあるので、この近辺に泊まって、2、3日かけて公園全体を楽しんでいただくのが一番のお薦めです。朝は涼しく海岸沿いの散策ができますし、当館のコンテンツがある時期を選んでもらうと夜まで楽しめます。また、伊江島に夕日が沈む様子は沖縄一の夕日の絶景だと思っています。

―ありがとうございました。