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アバター活用やウエディングも 人気水族館の新しい顔-沖縄美ら海水族館 管理部統括 佐藤圭一氏

  • 2022年1月7日

科学や教育を観光の新たな魅力に
地域振興や環境保全、海洋教育も担う

 沖縄の観光施設として世代を問わず高い人気を集める「沖縄美ら海水族館」。巨大な水槽で悠々と泳ぐジンベエザメやマンタの姿を沖縄旅行の思い出の1つとしている人も多いだろう。その沖縄美ら海水族館も、緊急事態宣言下は休館を余儀なくされた。収入が途絶えるなか、生き物たちの飼育や教育活動を継続するために取ったアクションとは。統括の佐藤圭一氏に話を聞いた。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

沖縄美ら海水族館 管理部統括の佐藤圭一氏
―まず、改めて施設のご紹介をお願いいたします。

佐藤圭一氏(以下敬称略) 沖縄美ら海水族館は、1975年に開催された沖縄国際海洋博覧会を記念して設置された国営公園、海洋博公園内にある施設です。博覧会に政府が出展した水族館をベースに、2002年に従来の7倍の規模でリニューアルオープンしたもので、今年20周年を迎えます。管理・運営は沖縄県からの受託で(一財)沖縄美ら島財団が行っています。

 コンセプトは「沖縄の海を再現」。一般的な水族館は世界中の海から様々な生き物を集めていますが、当館にはペンギンやアザラシなどはいません。メキシコ政府からいただいたアメリカマナティーを除いては沖縄の生き物のみで、まさに「the沖縄の海」という水族館です。

 水族館ですので、もちろん通常のレジャー需要にも応えていくのですが、実は我々の存在意義や役割は多岐に渡っています。1つは北部地域の振興。当館ができるまで北部には大きな観光施設がなく、その受け皿となっています。また環境保全のため、やんばる地域にとどまらず、広く沖縄の海の希少生物やサンゴの保全・調査も行っています。学校と連携した子どもたちへの海洋教育も我々の役割です。

 また、沖縄美ら島財団は、当館のほか、首里城や沖縄県立博物館などの文化施設も管理・運営しています。水族館だけでも関連会社を含めて裾野が広く400人ほどの従業員がおり、地域の雇用にも貢献しています。当館も一部の専門職を除くと、従業員の多くが地元の方々です。

―続いてご自身についてもご紹介をお願いいたします。

佐藤 私は海洋生物の研究者で、サメの生物学を専門にしています。今から21年前、この水族館ができる2年ほど前に、先々代館長で世界的に知られたサメの研究者でもある内田詮三さんに声をかけていただき、北海道から沖縄までやって来ました。当時はこんなに長居することになるとは思っていませんでしたが、施設も立派で研究面でも世界トップクラスという環境で、現在も水族館の統括の仕事の傍ら研究も続けています。研究を通して新しい発見や技術開発をして展示に応用することも、我々職員の重要な役割です。

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