地域に分け入るJAL社員たち ~秋田県編~
CAから「ナマハゲ伝導士」へ!?
ブランド力の磨き上げ、年間30回の入山も
秋田県横手市
横手市観光推進機構 鳴海祥一さん
雪降る寒さがあっても温かい心で迎え入れてくれる県民性。豊かな自然・食文化と居住環境とのバランスの良さが第一印象です。食べることが好きなので、おすすめはお米に野菜、果物です。横手盆地の積雪が豊かな水源となり、良質な農産物を育てます。主力のお米は横手の食文化の特徴である『発酵食品』を生み出し継承されています。味噌・醤油・お酒・漬物など自然が与えてくれた恵みを広く知っていただきたいですね。
豊富な観光素材(コト体験)や食文化があるにも関わらず、うまく活用しきれていないと感じています。横手に行きたくなる動機付けやストーリー性のあるコト体験に磨き上げを行うことで誘客につなげていきたいと思っています。また、これまで横手市単体で行ってきた観光地づくりを隣接する県南の観光団体と連携し、お互いの地域の強みを生かした観光地域づくりへの転換・取り組みを行っています。県南広域の誘客を行うことで地域滞留時間を生み、観光消費額拡大を目指しています。
現地でのコト体験の需要が高まるなか、単なる伝統工芸のコト体験を紹介・提供するだけでなく、地元で暮らしている方との交流や社交場を加えることで、訪れる方への印象が濃いものとなってくると思います。横手市には、豪雪とかまくら、そして独特の食文化の発酵食品があります。これらを組み合わせて、わくわく感やストーリー性のある旅の醍醐味を味わってほしいと思っています。
横手市観光推進機構 事務局長兼CMO 福岡美晴さん
2013年から横手コンベンション協会事務局として大会や会議の誘致を行ってきました。その後、横手市観光推進機構(よこてDMO)として観光マーケティングを学び、現在は事務局長兼CMOとして、観光調査分析結果を元に事業の企画運営を行い、観光地域づくりを推進しています。 |
横手市は、日本最大の横手盆地に位置していることから、夏は暑く、冬は雪深い地域で、雪国秋田の中でも一番の豪雪地帯として知られています。そんな気候だからこそ、豊かに実る果実や野菜などは糖度が高く、品質の高いものが収穫されます。また、毎年多くの観光客で賑わう冬の風物詩「かまくら」は、雪国ならではの伝統行事として受け継がれています。そのほか、冬に向けた保存食として生まれた「発酵食」は、健康志向が高まる今、横手を代表する伝統料理として幅広い世代の方から注目を集めています。
「伝統工芸品作りの担い手がいない」「地元の特産品を使った商品を作っているけれど、どう活用していけば良いかわからない」など、地域で活動している個人や団体からの意見をきっかけに、市と連携しながら体験コンテンツとして磨き上げを行い、国内外に発信するなど展開しています。体験を提供する個人や団体を「観光エキスパート」と名付け、旅行会社への販売や体験会の開催などを行っています。鳴海さんには、実際に体験してもらい地域の方の話を聞きながら、コンテンツとコンテンツの組み合わせについてもご提案いただいています。今後、モニターツアーの開催やパッケージ化など展開してもらえればと考えています。
SDGsやサスティナブルツーリズムをテーマとした、オーダーメイド型の旅の提案ができればと考えています。地元住民と交流しながら、旅行者が興味あるものをとことん追求できるような、地域性を活かした観光事業を展開していきたいです。また、他の観光事業者や自治体とも連携して、広域的な旅行商品の開発を行ってければと考えています。
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