【現地レポート:イギリス】華やかな12月が戻って来たロンドン、旅行業は正念場
市内中心部ではCO2削減策が更に加速
キャッシュレス化で意外なものまでカード払いに?
環境に優しいロンドンをめざして
先日グラスゴーで行われた国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)はご記憶に新しいかと存じます。産業革命時代以来、環境汚染についても先進国であったという立場から、長年自然保護に取り組んで来たイギリス。特に首都ロンドンでは温暖化と大気汚染問題に力を入れています。
今世紀初頭から、できるだけ中心部から車を排除するため混雑税を導入、さらに排気量の多い古い車輛も減らすため超低排出ゾーン(ULEZ)を設け、今秋からはその範囲をさらに住宅街の環状線地域まで広げました。乗用車の場合、ガソリン車は2006年以前、ディーゼル車は2016年以前の登録車両を対象にULEZ内通行料として1日£12.50(約2000円)、さらに中心部は車両登録年度に関係なく一律混雑税£15(約2300円)が必要です。また、中心部はサイクリストの安全のため自転車専用レーンも設け、電気自動車のチャージポイントも内に増やし、路線バスも電気やハイブリッド車両を徐々に導入しています。
キャッシュレスがさらに進化、意外な場所でもカード払いが
古くは小切手の時代から、クレジット、デビットカード、スマホとキャッシュレスが進んでいるイギリス。コロナにより衛生面や人出不足などの理由で、逆に現金を受け付けないレストランやショップも出てきました。
買い物もコンタクトレス、すなわち暗唱番号や署名なしで可能。この限度額、コロナ前は£30でしたが今は£100まで可能となり、便利な反面、紛失にはこれまで以上に注意が必要です。
以前は現金が主流だったマーケットのストールでも今はクレジットカードやスマホペイを受けてくれるところが増えました。一部個人商店においては今もカード、スマホ払いは最低£3~5と設定している場合もありますが、大手スーパーやコンビニは1ポンド(約150円)以下の少額でも問題ありません。
ちなみに飲食業を営む友人によると、コロナ禍でキャッシュレスに踏み切ったところ、レジ締めの時間が無くなり、釣銭間違いや偽札問題も解消し、手数料を差し引いてもメリットのほうがはるかに多いとのことです。
公共交通機関も以前はオイスターというチャージカードが主流でしたが、ここ数年はコンタクトレス(カード)や、アップル、グーグル、サムスンなどのスマホペイがそのまま使え、しかも使用額は自動的に1日の行動ゾーンの限度額に達するとそれ以上は課金されません。ほとんどの観光地やホテルが集まる中心部ゾーン1-2内の移動は1日£7.40(約1100円)で、地下鉄に3回乗れば元が取れ、その後はゾーン内であれば乗り放題となります。
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