20代社員が振り返る今週のニュース ー いくら大手でもコロナ禍の予測はできない
JATAインターナショナル・ツーリズム・フォーラムでの大手3社によるパネルディスカッションを読んで、個人的に色々と気になった点があり、つらつらと書いてみようかと思います。
まず、回復期の海外旅行を牽引する層に関して、HISと阪急交通社はそれぞれ真逆の回答をしています。これに対して私自身としては正直なところ「どっちも有り得そうな答えである」と思いますが、要はそんなものはわからないのではないか、という事が答えかもしれません。2社とも今後の計画を立てるために様々なデータを見られた上での想定でしょうが、コロナ自体がそもそも観光産業が過去に類似した経験もないほどの事象なわけで、データに基づいた分析は非常に難しいでしょう。そういう意味では、JTBの予測は定性的なものも定量的なものも含めて納得感はあります。
一方、ダイナミックパッケージに関して継続的な成長を予測とありますが、そこは必ずしもそうではないのでは? と思っています。というより、私がDPを利用した事がないので実情がわかっていないのですが、添乗員付きツアーと比べてOTAとの競争になりやすい商品だと認識していて、価格競争に終始しやすそうというイメージです。付加価値のしにくいこの分野がどこまで伸びるのか、個人的にはイマイチイメージがつかないところです。
あとは、OTAとの差別化、共存のところですが、ここで書かれていない事で気になることでいえば、そもそもOTA側に共存する気がいつまで、どれほどあるのかという点ですね。彼らが共存ではなく差別化でもなく敵対が合理的となれば敵対するでしょうから、共存した方が得だなと思わせる価値を提示し続ける必要があるわけで、それが何なのかは考える必要があります。
なんだか取り留めも無いことを書いてしまいました。
柴田氏の今回のコラムを見ていて、ふとおもったのですがいつからかGoogleでPrice Insightというアプリが提供されなくなったなと最近気が付きました。これはホテルがいつ値上げしていつなら安いかをグラフィカルに示すものだったのですが、コロナ禍で止めてしまったんですかね。
海外にいるとき、結局最も利用した旅アプリはGoogle MAPだなというと元も子もないのですが、国内のアプリでいうと今各地方や自治体が個々にアプリを作ってリリースしているのはもったいない気がしますね。というのも、日本ではiPhoneが最も普及したスマホなわけですが、iPhoneは容量を外付けできないため人によっては結構アプリの容量はシビアになります。そうなると、各自治体でアプリを入れてもらって旅行に来てもらい、その後も継続的にマーケティングをしかけるためにアプリは入れたままにしてほしいのに、容量確保のために旅行後アプリは削除してしまうというのが行われてしまいます。それを避けるためには、国内全部を内包するようなスマホアプリをつくるか、PWA(Progressive Web Apps)にするかでしょうか。PWAであればアプリに比べてそれほど容量は食わないはず……ただiOSだとプッシュ通知ができないので一長一短ですね。
あと、自分が取材して書いた記事を触れるのは我ながらどうかと思うのですが少しだけ、オンラインツアーの記事に関して。このシリーズは前編と後編に分かれています。オンラインツアーに関して色々話すと、旅行業界の方は結構脊髄反射的に拒否反応があるなという感じです。社内でもだったんですが。
まあそれも当然といえば当然で、旅行業界に入られる方は旅先でしかできない体験とか、味わえない雰囲気とかを含めて旅が好きな方がほとんどなわけですから、「オンラインツアー? へっ!」という方が多いのは自然です。
しかし一方、旅番組やyoutube、旅のエッセイなんかに触発されて旅行に行きたくなるというのはそんなに違和感がないと思います。ならばそこからもう一歩進んで相互にやり取りできるオンラインツアーで旅行を触発させる事ができるというのは、想像しやすいところではないでしょうか。それこそInstagramやYoutubeで配信者が実況しながら旅先を回ったりするのも一種のオンラインツアーみたいなものですし、新しいチャネルになる可能性は十二分にあると個人的に思っています。