20代社員が振り返る今週のニュース ー 失われたこの一年半は誰にとって大きいのか
先週ニュースとなったT-LIFEホールディングスの組織再編に関して、代表の石川氏にお話が聞けました。組織再編を行った理由と背景は2ページ目に記載があります。
内容自体は読んでいただければと思うので触れませんが、やはり私の年代として気になることは教育面です。記事中にある「コロナ禍で入社した新入社員は部署によってはほとんど旅行会社らしい仕事ができていないことをとても残念に思います」という言葉はとても重いものに感じられます。
もはや言うまでもなく、コロナの観光産業に与えたダメージはとてつもなく大きなものですが、一方で日本国内の感染者数は減り、ワクチンは7割以上の人が接種しました。まだ帰国後の隔離期間はある一方で、一部の国では入国時の隔離も免除され始めています。先日、昔留学していたマルタの学校から「日本人もワクチン接種と陰性証明で隔離がなくなるよ」と連絡が来ました。帰国後の隔離がなくても長期留学などであれば隔離期間は大きな問題にはならないでしょうし、徐々にですが確実に海外渡航の門戸は開かれつつあります。
そうなった時、コロナによって経験値を積むことができなかった方々はどうなるのでしょう。失われたこの1年半は、すでにキャリアを持っている方にすら苦しいものでした。これが若手となると、最も吸収力が高い時期を棒に振る羽目になったのかもしれません。その間自己投資をすればいいというのは理想論ですが、コロナ禍で金銭的に余裕がある新入社員というのも、あまり想像がつかない話です。
これは「ほら若手は可哀想でしょ」というだけの話ではなくて、この人材が育たなかった数年は観光産業にとって取り返しがつかない損失にならないかというのが私の危惧です。結局のところ会社というのが人なのであれば、人が育っていない会社は衰えるばかりです。そして残念ながら、優秀な人材を他業界からどんどん引き抜けるほど、給与水準が高い業界でもありません。有望な若手の方で、このままいるとスキルが身につかないから他業界に行きますと言う人は、私の周りでも数人ではききません。コロナが収まったのに衰退していくばかりということにだけはならないで欲しいものです。
そういう意味では、高校生のお2人がビジコンで提案した内容などは非常に明るい材料です。
コメントで皆さんが書かれている通り、ニーズがあるのか、採算がとれるのか、ビジネスモデルして成り立つのかといったところを我々はつい考えたくなりますが、イノベーションが起こるときというのはそういった視点は抜きにして始まることが多々あるものですし、少子高齢社会の昨今、高齢者は3,600万人日本におられるそうですから、1万人に1人しかニーズがなくても3,600人のマーケットです。スモールビジネスや副業、あるいは勉強として割り切るには十分な市場規模だと私は思います。
旅行に行く人、あるいはその親族がお金を払うものという我々の前提が覆せるモデルですし、是非成功して欲しいアイデアですね。