ガストロノミーツーリズムと日本が誇るONSENの魅力を融合-ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構 本橋春彦氏

温泉を介した文化交流、相互送客にも期待

-全日空ではそのような仕事を担当したのでしょうか。

本橋 入社当時は昼間仕事をして夜から練習という形で、横浜支店の営業を担当しました。その後、サッカーのプロリーグ化の流れの中で全日空の子会社として設立された全日空スポーツへ1985年に出向。Jリーグ発足に向けた準備作業にも携わりましたが、1993年5月のJリーグ開幕1ヶ月前に成田空港勤務に異動しました。その後は、札幌丘珠空港や東京支店法人販売部セールスマネージャー、大阪支店国際販売部長、営業推進本部営業サポート企画部長、石見空港ターミナルビル社長を経て2018年にANA総合研究所へ移り、ONSEN・ガストロノミーツーリズム機構の事務局長を務めることになりました。

-ONSEN・ガストロノミーツーリズム機構として実現していきたいことは何でしょうか。

本橋 機構としての活動目標は先ほど述べた通りですが、なかでも個人的には海外との連携、交流に力を入れていければと考えています。世界各地の温泉は、地中のマグマが基になっている点で共通しており、日本の温泉地もドイツのバーデンバーデンも台湾の温泉地も言わば根元は一同じ。育ちが違うだけです。ですから世界各地の温泉地と交流することで、温泉の違いや楽しみ方を含めた文化の違いを理解し、情報交換を通じてお互いにONSENの魅力アップが図れると思いますし、ゆくゆくは交流をベースとした相互送客にも期待できると期待しています。機構では、2017年にガストロノミーウォーキングが欧米の旅行者に人気のフランス・アルザス地方のアルザス・デスティナション・ツーリズムとの友好宣言協定を結び、交流を行っています。また2020年にはONSEN・ガストロノミーウォーキングを台湾の台中市で海外初開催しました。

 先日、日本の温泉地で聞いたのですが、温泉を楽しむためのルールを良く守ってくれるのは日本人よりむしろ外国人旅行者とのことでした。温泉を楽しむ文化に関して海外に学ぶべき点も少なくないと思います。その意味でも海外との交流は有意義ではないでしょうか。

-機構と旅行会社の関係はどのようなものですか。

本橋 クラブツーリズムや、ゆこゆこホールディングス、びゅうトラベルサービス、ANAあきんど等が会員ですし、旅行会社にはONSEN・ガストロノミーウォーキングの開催に賛同、協力していただいています。また旅行会社にとって着地型旅行が重要度を増すなかで、機構の持つ情報の提供や、企画面での協力も増えていくと思います。実際に日帰りバスツアーにONSEN・ガストロノミーツーリズムの要素を組み込む旅行会社もあります。

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