海外旅行解禁後も選ばれる沖縄であるためにーザ・リッツ・カールトン沖縄 総支配人 佐々木孝司氏
コロナ禍で見直した沖縄の魅力
サービスの質を引き上げて新たなリピーターに
佐々木 大きな変化はないと思います。当ホテルの客室数は多くありませんが流通パートナーなしには難しい面があり、従来通りにコミュニケーションを密にしていく考えです。これはホテル単体だけでなくマリオットグループについても同じことが言えると思います。
佐々木 ザ・リッツ・カールトンにしてもマリオットグループにしても環境配慮や地域貢献に熱心だと思いますが、現時点で一番の地域貢献は沖縄を広く知ってもらうこと、沖縄に魅力を広く感じてもらうことだと信じています。ツアーガイドと自然の中へ出かけて沖縄の自然を体験したお子さんに、沖縄の良い思い出を持ち帰ってもらうこと。それが我々のすべき沖縄への貢献だと考えています。
佐々木 希望の光は見え始めましたが、インバウンドや海外旅行を含めた旅行需要がコロナ前の水準に戻るのは2年後の2023年後半になるとの予想もあります。それまでは国内旅行が大部分を占めることになるでしょう。コロナ前は稼働率70%から80%が普通で、うち約30%がインバウンドでした。沖縄について発信しなくてもホテルにはお客様が来ていたし、沖縄に来るお客様を迎え入れるのが役割でした。しかしコロナ禍で沖縄の魅力を発信する大切さに気付き、沖縄の魅力をもう一度見直す機会にもなりました。
私も休みを取っては海外旅行をしていましたが、海外へ行けなくなり沖縄県内の行先を探すようになって改めて、沖縄の魅力を発見できていなかった自分に気づきました。その気づきを基に提案を発信していけば、海外旅行解禁後も沖縄に来る人は減らないはずです。
姉妹ホテルのザ・リッツ・カールトン日光は大変繁盛しています。新規ホテルだからではなく、ホテルとして日光の魅力を理解し、東京から2、3時間で行ける範囲に魅力あふれる場所があるという発信をしてきた結果だと思います。海外旅行が解禁になっても2回のうち1回は沖縄に来てくれるよう市場に提案を投げかけていきたいですね。互いに力を合わせて沖縄を盛り上げていきましょう。