グアム、コロナ後「最初に選ばれる旅行目的地」目指す、SNSプロモーションも強化
グアム政府観光局(GVB)はこのほど旅行業界向けにオンラインセミナーを開催。2021年9月現在のグアムの旅行者の受け入れ態勢について報告したほか、今後のプロモーション展開について発表した。
セミナーの冒頭の挨拶でGVB副局長のゲェリー・ペレズ氏は「日本とグアムは60年以上にわたり良好な関係を築いてきた。観光業再開に向け、現地では衛生・安全対策構築を着々とすすめている。日本からの距離も近く、時差も1時間といったアドバンテージを生かし、コロナ後に選ばれる最初の旅行目的地としていきたい」と語った。またGVBマーケティングマネージャー日本担当のレジーナ・ネドリック氏は「日本はグアムにとって欠かせない主要市場。厳格な安全対策のもと、受け入れ態勢を今後も強化していく」と意気込む。
セミナーでは、GVB日本代表の金子宗司氏がグアムの現状と今後のプロモーション展開について説明。2021年9月14日現在、グアム島全体で12歳以上のワクチン接種率は83.65%になったことを報告。さらに世界旅行ツーリズム協会(WTTC)が発行する「Safe Travels Stamp」とグアム安全認証の双方を取得したホテルやアクティビティなどの観光事業所は123にのぼっており、金子氏は「観光業再開に向け、着々と受け入れ態勢を整えている」と強調。
こうしたなか、グアムでは2021年7月4日から、ファイザー、モデルナ、ジョンソンエンドジョンソン、アストラゼネカのワクチン接種済みの証明書あるいは、到着72時間以内に受診したPCR検査の陰性証明を提出することで検疫免除の措置を実施。さらにPCR検査費用2万円をサポートする「遅い夏休みをグアムでゆったりキャンペーン」(8月中旬から9月30日出発分)を発表したところ4000を超えるアクセス数があり、キャンペーンを利用してグアムに出発した旅行者は、8月は全体の26%、9月は74%にのぼるなど非常に好評だという。すでに旅行会社や消費者からは10月以降の継続を望む声も出ているそうだ。
このほか現在グアムへのフライトはユナイテッド航空(UA)のみだが、運航再開へ向け「航空会社、旅行会社へ可能な限りサポートをしていきたい」(金子氏)として、今後も航空会社や旅行会社に対しても支援を計画している。
GVBではコロナ後に選ばれる旅行目的地としての需要喚起戦略として、SNSを駆使したPR展開を実施している。今年の3月から9月にTwitterやInstagramなどを通して情報発信に注力したところ、SNSへのアクセス数に1000~5000%の改善が見られたことから、今後さらに強化してSNSでの情報発信をおこなっていく。
GVBアカウントディレクター小路伸佳氏は、SNSでのPR展開の主なターゲットを「ソーシャル、デジタルネイティブである20代」と設定。その理由を先頃エアビーアンドビーが実施したアンケート調査を引用し、Z世代の60%以上が「コロナ禍により人とのつながりが弱まった」と答えており「Z世代は繋がりを求めている。コロナ禍前の旧来のコミュニケーションや価格価値とは違う、SNSを通してブランドと消費者がつながることで強化できる物語性やエモーショナルなバリューを提供し、市場需要喚起につなげていきたい」と語る。
尚、セミナーではアメリカ大使館商務部商務担当参事官のスティーブ・ノード氏も挨拶し「グアムは日本からも近く、豊かな自然やビーチなどを有する、リラックスに最適な旅行目的地。観光業再開時には共に頑張りましょう」とコメント。また日本旅行業協会(JATA)理事長の志村格氏も「日本から最も近い楽園」として旅行目的地としてのグアムの重要性を述べたうえで、オンライントラベルマートの開催を計画しているほか、JATAとして帰国後14日の隔離政策緩和に向けて働きかけているという。