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【ホテル総支配人リレーインタビュー】第8回 ロイヤルパークホテル常務取締役総支配人 笹井高志氏

  • 2021年9月16日

小学生時代から志した人間相手の仕事
総支配人は文化祭の実行委員長

 第7回の京王プラザホテル北島力三郎常務取締役総支配人からバトンを渡されたのは、ロイヤルパークホテル常務取締役総支配人の笹井高志氏。2016年に3代目総支配人として就任し、2019年には同ホテルは開業30周年を迎えた。「私は文化祭の実行委員長のようなもの」と語る笹井氏に、総支配人の仕事やホテルビジネスの現状について聞いた。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

笹井氏。天の川をモチーフにしたメインロビーの「天の川シャンデリア」の前で。

-はじめにロイヤルパークホテルがどんなホテルか改めてご説明ください。

笹井高志氏(以下敬称略) 1989年の開業で今年が32周年です。419の客室と1000平方メートルの宴会場を持ち、幅広いニーズに応えながらクオリティの高いサービスを提供するフルスペックのホテルです。国賓や世界のVIPも接遇しており、目指すのはグローバルに評価され、地元日本橋・人形町のローカルに愛される「グローカルなホテル」です。

 強みはリピーターで、開業以来500泊以上のお客様は50名以上、1500泊以上のお客様も3名、年間60泊から90泊のお客様が10名以上いらっしゃいます。外国人のお客様も300泊以上が10名、500泊以上も3名です。レストランの年間200回以上の利用者は毎年最低5名います。

-自己紹介もお願いいたします。

笹井 小学校の作文で、すでに「大人になったら機械を相手じゃなく人間を相手にする仕事がしたいです」と書いていました。大学浪人中に百貨店の紳士服売り場でアルバイトし、販売成績が優秀だったために都内有名ホテルで開催のお得意様招待会に派遣されました。その時に見たホテルマンの格好良さが圧倒的で、「コレだ」と思いすぐに決心を固め、大学進学を望む親の大反対を押し切って東京YMCAホテル専門学校に入学しました。

 卒業後はホテルオークラに就職しましたが、数年後には妻の実家の割烹旅館を手伝うため金沢へ。当時社員は60人で、プレッシャーも大きく苦労も多かったのですが、サラリーマン意識が抜け宿泊業に本気で取り組む覚悟ができました。4年ほどの間に金沢の課題である冬場対策をするためJTBと共に金沢観光開発振興協議会を立ち上げ、地域共通の観光券と宿泊クーポンを作り全国誘致活動を実施。「冬の金沢 雪の庄」等ヒット企画も生んで地域観光に貢献し、現在のDMO的な活動に先鞭をつけました。旅館も旅行会社による評価で当時の施設内容で目指せる最高グレードを獲得できました。

 1992年にかつての先輩に誘われ横浜ロイヤルパークホテルに入社。旅館時代に営業の面白さに目覚めたため営業部を志願し、横浜での21年間のうち15年間は営業を担当し2005年に営業部長となりました。その後、宴会部長を2年、宿泊部長を3年務め、2008年に仙台ロイヤルパークホテルの常務取締役総支配人に就任。2011年に横浜ロイヤルパークホテルに取締役として戻り、2016年に現職に就きました。

-仙台では総支配人として東日本大震災も経験されたわけですね。

笹井 あと1ヶ月で横浜へ戻るという時に大震災に見舞われ、本当に死ぬかと思いました。大震災後はホテル需要が冷え込み、戻った横浜ロイヤルパークホテルも厳しい状況でした。これまでにホテルマンとしてサミットやG20、アジアアフリカ会議、トヨタカップなど華やかな場に立ち会ってきましたが、一方でリーマンショック、大震災、コロナ禍と多くの試練にも直面してきました。

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