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コロナで退職した業界人に観光産業での再就職を-大阪観光大学 観光学部教授 小野田金司氏

産学連携の「ニューノーマルな観光人材育成プログラム」
座学とフィールドワークで最新のスキルを身につける

-「リゾート再生」と「ローカルツーリズム」の2つのコースが設定されていますが、それぞれの特徴を教えてください。

小野田 「リゾート再生プロデュース人材育成コース」では、スキーリゾートの再生を手掛けるマックアースさんをはじめとする観光関連企業と業界経験者とのマッチングを目指します。アウトドアリゾートはいわゆる「三密」対策で注目されていますが、スキー場経営にはグリーン期の活用やデジタル化への対応など、様々な課題もあります。そこにはまだ多くのビジネスチャンスがあるので、コースを通じて必要な知識や技能を身につけてもらいたいと思っています。受講者にはマックアースさんの運営するスキー場で合宿を実施し、1週間ずつインターンシップとフィールドワークを経験してもらいます。ミスマッチのないよう、そこで就職するくらいの意気込みで参加してもらいたいですね。

 「ローカルツーリズムプロデューサー人材育成コース」では、地域DMOで活躍するための知識や技能を学ぶプログラムを組んでいます。講義の会場はワーケーションで成功している白浜とアドベンチャーツーリズムの盛んな東松島、パソナさんが本社機能を一部移転した淡路島の3箇所。実際に各地に宿泊し、三者三様の取り組みを体感しながら各地のDMOとの交流やマッチングも図ります。

-講師陣はどのように選定されたのでしょうか。

小野田 これまで培った人脈のなかから実践的な実績があり、年齢もできる限り若い方にお願いしています。観光学部の教授だけでなく、百戦錬磨の上山康博さんや刀の佐藤大介さん、WAmazingの加藤史子さんなど、幅広い分野からユニークな30名の講師陣を招きました。トラベルビジョンさんで連載をされているインプリージョンのオダギリサトシさんにも参加してもらっています。

-どのような方に受講してほしいとお考えですか。

小野田 どちらかというと、リゾート再生コースはプレイングマネージャータイプで、働きながら自分でも企画を率先して進めていきたいという方に、ローカルツーリズムコースはコーディネートが得意な方に向いていると思います。社会人としてのキャリアは全く関係ありません。例えば最近では、CAを目指していた学生から、今は就職口がないから別の業界を考えているという相談も受けますが、しばらく地方で活躍して需要が戻ってからCAになるという道もあると思います。優秀でモチベーションも高い人材が業界を離れてしまうのは惜しいですよね。また、地方のライフスタイルも変わってきているので、行ってみたら案外居心地が良くてそのまま居着くということもあります。まずは1度来てみてほしいと思います。

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