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7月にリブランド「立地も建物も市場で勝ち抜けると確信」-ハイアット リージェンシー 東京ベイ総支配人 藤野晴彦氏

  • 2021年9月6日

新浦安エリアはアーバンリゾートに適した立地
回復期にはいい意味での旅行需要の反動が起きる

-コロナ禍後の需要回復の時期はどのように予測していますか。
藤野氏

藤野 とても難しい質問ですが、一つの目安は国民全員がワクチン接種を終えるタイミングだと思います。しかし日本はワクチン接種が遅れているのが現実です。前任地だったベトナム時代の仲間に聞くと彼らはみな接種を完了しています。日本より医療環境が悪いとされるベトナムでも接種は日本より早く進んでいる。6月頃には東京オリンピックに向けてワクチン接種が進み感染状況も落ち着くと期待していましたが、当分は需要回復が難しいと言わざるを得ません。

-ホテルビジネスの分野でもデジタル化が進み、ホテルサイトの直販やOTA経由の販売が増えている中で、リアルエージェントにはどのようなことを望みますか。

藤野 ホテルビジネスの流れが大きく変わり、OTA経由の販売や直販が増えているのはその通りです。若年層や中年層はその傾向が顕著です。しかし市中の旅行会社店頭を覗けばカウンターに座っている来店客を見かけます。カウンターを訪れ顔と顔を合わせて旅行の相談をしたりアドバイスを受けたい人はまだまだいますし、実際にリアルエージェントを経由したホテル予約はあります。OTA経由の販売や直販の重要性は高まっていますが、個人的には今後もリアルエージェントの市場は残ると見ています。団体旅行はなおさらです。やはり旅行会社様とのパイプをしっかりと維持していかなければなりません。一緒に需要の喚起や獲得に取り組むのは大切なことです。

-最後に観光産業従事者が90%以上を占めるトラベルビジョンの読者に向けたメッセージをお願いします。

藤野 旅行業界はいまコロナ禍で大変厳しい状況にあります。先が見えない苦しさもありますが、いまは我慢の時間です。ここでどういった力を蓄えることができるかが重要になって来るでしょう。旅行に行きたい人は市場にたくさん存在しており、みな我慢を強いられています。回復の条件が整えばいい意味での反動が起きます。ですから需要回復に向けてお客様を迎える準備を万全にしておくこと、お客様の期待に応える準備を整えておくことが肝心と考えています。

 まずは国内市場からの回復になると思われますが、これまで積み上げてきたインバウンド市場も必ず戻るはずです。それまで皆さんと一緒に我慢と準備の時間を有効活用していきたいと考えています。

-本日はありがとうございました。