アメリカの「今」を駐在員の視点から-グランドキャニオン、モニュメントバレー・・・withコロナで経済活動を進める人気観光地
ナバホネーションのビジネス再開状況とコロナウイルス感染状況
~モニュメントバレー、アンテロープキャニオン~
『ナバホネーション』とは、ヨーロッパからの移民が来る以前からアメリカ大陸に定住する先住民ナバホ部族が現在生活する居留区で、ユタ、コロラド、アリゾナ、ニューメキシコと4つの州を跨ぎ総面積約7万1000平方キロメートルという、日本の東北地方全体よりやや広いアメリカ最大の先住民居留区です。ナバホ部族の総人口は現在約29万8000人で、うち約15万7000人が現在この居留区内で生活をしています。ナバホネーションはアメリカ国内にある自治区として独立しているため、首都アリゾナ州ウインドーロック市にあるナバホ政府が独自の制度に基づき居留区内を管理しています。
ナバホネーションは砂漠をイメージするような乾燥した土地に位置し、配水設備も十分ではない事も影響してか、パンデミックにおけるコロナウイルスの被害も深刻で、アメリカ国内では一足遅く、ようやく2021年7月8日にビジネスの営業が再開されました。
観光スポットとして人気のナバホ部族運営の公園であるモニュメントバレー、アンテロープキャニオンに加え、居留区内のレストラン、カジノ、ホテル、キャンプ場も人数制限50%のもと再始動しています。
コロナウイルス感染状況とワクチン接種状況
2021年8月10日時点でのナバホ部族居留区内感染者は計3万1666人で、死亡者が計1,384人となっています。ワクチン接種が開始された4月以降は1日あたりの感染者数は10人未満の数字を持続して落ち着いていますが、居留区内の総人口に比較すると約20.17%という数字で、日本の約0.84%を見てもその深刻さが理解できます。また死亡者の数も総人口の約0.88%で日本の約0.01%を遥か上回っています。
ワクチン接種に関しては8月10日時点で計12万1312人が2回目の接種を完了しており、総人口の77.27%となります。
観光スポットの営業状況
モニュメントバレー:オープン
人数制限50%、マスク着用義務(写真撮影の際のみ外しても良い)のもと観光向けのジープツアー含め営業中。
アッパーアンテロープキャニオン:オープン
人数制限50%、マスク着用義務(写真撮影の際のみ外しても良い)のもと観光向けのジープツアー含め営業中。コロナ前の観光コースは同じルートを1往復する方法でしたが、密集を防ぐために既存のルートの利用は往路のみで、復路は新たに設置された迂回ルートを利用。
ローワーアンテロープキャニオン:オープン
人数制限50%、マスク着用義務(写真撮影の際のみ外しても良い)、ソーシャルディスタンス確保のもと営業中。
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