旅のサブスクに対して旅行会社はどう対応していくのか?-RT Collection 柴田真人氏寄稿
第8回目のコラムは「旅のサブスク」について書いてみたいと思います。皆さん、旅行に関してサブスクサービスを使ったことはありますか?
旅行者の旅の予約や手配の方法は年々変化をしていて、飛行機や鉄道、ホテルなどを単体で購入して利用する人から旅行会社が主催するパッケージツアーを利用する人、ホテル予約サイトのOTAを利用する人、ダイナミックパッケージを利用する人、航空会社やホテルの直サイトを利用する人など、現在、旅行者には様々なプラットフォームの選択肢があります。
僕自身も海外旅行では航空会社やホテルの直サイトを利用したり、国内旅行では新幹線を利用する際は旅行会社の新幹線パックを利用したり、ホテルだけが必要な時はホテル直サイトやOTAを利用することもあり、旅行や出張の内容によって使い分けをしています。
コロナ禍の影響で在宅勤務が増え、自宅では手狭な人が近くのシティホテルでテレワークを行い、旅行先で遊びと仕事の両方を行うワーケーションも一部の旅行者には受け入れられ始めています。また、ノマドやアドレスホッパーのような都市を転々としながら仕事をするフリーランスの人などもいて、働き方が多様になってきました。旅行業界ではありませんが、先日トヨタ自動車が在宅勤務に関する職場からの距離制限を撤廃して全国どこでも可能にし、必要に応じて出社する場合の交通費を全額支給する制度を導入したことも、今の時代に合わせた多様な働き方の1つです。
旅行の予約や働き方が多様化している中、先日、Twitterで旅好きのユーザーの中で話題に上がった旅のサブスクリプションサービスがありました。それは、定額制宿泊サービスの「HafH(ハフ)」です。
HafHは主に宿泊のサブスクサービスになります。宿泊数や付与されるHafHコインの数によって利用料金は異なりますが、月額利用料金2,980円~82,000円で宿泊することができます。現在、日本国内で利用できる宿泊施設はなんと600軒を超えており、バックパッカー用のホステルからテレワークや出張で利用できるシティホテル、さらにワーケーションで利用できるオンザビーチのリゾートホテルまで様々なタイプの宿泊施設がラインナップに含まれています。ここでは細かい利用方法の説明は割愛しますが、基本プランで利用できる宿泊施設はドミトリータイプのものが多く、ホテルの個室利用を希望する際は毎月付与されるHafHコインを貯めるとそのコイン数に応じて客室を予約することができます。
今まで定額制宿泊サービスはいくつかありましたが、利用できる宿泊施設数が少なかったり、旅行というよりも2拠点居住のような住居型に特化したサービスが多かった印象でした。しかし、HafHはJR西日本と提携して宿泊は定額、電車は割引といった宿泊施設と移動を掛け合わせたサービスがあるなど、どちらかというと旅行寄りのサブスクサービスで注目を浴びていました。
そのHafHがなぜTwitterで話題に上がっていたのかというと、新しい旅のスタイルとして日本航空(JAL)と「航空サブスクサービス」を実証実験として開始すると発表したためです。そのサービスは全国10都市への「往復航空券+1泊分」が3回分付いて36,000円の金額で利用ができる内容です。単純計算で1往復+1泊が12,000円という価格で、さらにJALのフライトマイルも加算されます。※HafHの月額基本料金や申込時に必要なHafHコインは別途必要です。サービス内容の細かい諸条件は公式ホームページをご覧ください。