【ホテル総支配人リレーインタビュー】第7回 京王プラザホテル常務取締役総支配人 北島力三郎氏
50年の歴史を土台に、笑顔で次の50年に挑む
第6回の東急ホテルズ宮島芳明常務執行役員からバトンを渡されたのは、京王プラザホテルの常務取締役総支配人の北島力三郎氏。今年開業50周年を迎えた同ホテル一筋のホテルマン、北島氏に東京のシティホテルビジネスと新宿の街について伺った(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)
-はじめに京王プラザホテルとご自身の紹介をお願いいたします。
北島力三郎氏(以下敬称略) 京王プラザホテルは今年6月、開業50周年を迎えました。日本初の超高層ホテルとしての開業でしたが、半世紀前の新宿駅西口は副都心が出来上がる前。当時、国際級シティホテルは山手線の内側が常識で、1000室規模の大型ホテル開業には疑問の声もあったそうです。それでも最上階に展望室を備えた日本一背の高い建物や、昭和を代表する著名インテリアデザイナー、剣持勇氏が手掛けた斬新なインテリアも注目され、時代の最先端を行くホテルとしてお客様を惹きつけてきました。これまでに世界100カ国以上のお客様が来訪し、宿泊・料飲・宴会を合わせた累計利用者数は1億6000万人に達しています。
私は1987年に入社しウェイターからキャリアをスタートし、料飲接客部門で4年間勤務。その後18年間在籍した経理部では戦略的経理を命じられ、歴代の経営者の話を間近に聞く機会があり、経営に関する知見を広げられました。それから調理部副部長、料飲部長を経て2014年に取締役副総支配人兼宿泊部長、2015年に取締役総支配人に任命され、2020年6月から現職を務めています。
総支配人就任当初は単価の低さが課題で客室平均単価の向上に腐心し、時には既存のお客様をお断りすることも辞さない覚悟で取り組んだ結果、2019年の客室収入は日本で1、2を争うまでになりました。