全旅連、多田会長が再任 「議員会館とのパイプを次代へ」
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連、1万5千会員)は6月15日、東京・永田町の都道府県会館で2021年度総会を開いた。任期満了に伴う役員改選で多田計介会長(石川県和倉温泉)を再任したほか、20年度事業報告と決算、21年度事業計画と予算を承認した。
2期4年務め3期目となる多田会長は「就任後、民泊問題や人手不足対応で特定技能制度への対応など外国人雇用の環境づくりに取り組んできました。昨年からはコロナです。いずれの問題も正副会長、理事の支援と協力で乗り切ってきました。この4年の活動で議員会館とのパイプというレガシーができました。このレガシーを次世代である青年部にしっかり引き継ぎたい。大きなエポックの1期2年になります。大きなウネリをつくれる団体に変ぼうしていきたい」と抱負を述べた。
あいさつする多田会長
事業報告はコロナ対応を中心に行われた。昨年2月以降、政府および関係省庁、関係議員にコロナ禍を乗り切るための多くの要望を行った結果、資金繰りに対する金融支援、固定資産税の減免措置、雇用調整助成金の簡素化と拡充、旅行需要の促進策としてのGo Toトラベル事業などが実現したことを報告した。
一方で感染拡大防止策として「宿泊施設におけるコロナウイルス対応ガイドライン」を作成・実施し、安心安全に宿泊旅行ができる環境づくりに取り組んだほか「ウイズコロナ調査研究会」を7回開き、経営状況についてのアンケート調査のとりまとめや、それらに基づく陳情活動を継続していることを紹介した。
20年度決算ではコロナ禍を配慮し、会費を半額としたことなどを報告した。
21年度事業は(1)新型コロナウイルス感染症からの生活衛生環境の立て直し(2)宿泊業におけるウイズコロナ・アフターコロナへの対応についての研究(3)旅館業法5条改正に向けての研究(4)風営法等の旅館業に係る各種法規制の見直しの研究(5)固定資産税等軽減に向けた政策立案−などに取り組む。会費については前年度同様に半額にする。
例年、全旅連は年次総会と全会員を参加対象にした全国大会を集中開催しているが、今年度は新型コロナウイルス感染症の拡大状況や10都道府県が緊急事態宣言の対象となっていることから、全国から1千人を超える組合員が参加する全国大会は延期することを決めていた。
今回の総会で21年度全国大会の日程と会場を承認。全国大会は10月25日に福島県いわき市のいわきアリオスで開催する。
受け入れ県を代表して福島県旅館ホテル生活衛生同業組合の小井戸英典理事長(いわき湯本温泉・旅館こいと)は「今年は東日本大震災から10年の節目の年でもあります。感染症対策をしっかりやります。全国からご参加いただく皆さまには東北の現状についても見ていただきたい」と期待を込めた。
10月25日に福島県いわき市で
全国大会を開催することを承認した全旅連総会
情報提供:トラベルニュース社