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世界遺産知床のネイチャー・リゾートを目指してー北こぶし知床ホテル&リゾート専務 桑島敏彦氏

  • 2021年6月10日

3つの宿泊施設でユニークな自然体験
「クマ活」などCSR活動も積極に展開

 「知床から、世界に誇る北のリゾートへ」をビジョンに掲げる「北こぶし知床ホテル&リゾート」。世界遺産知床半島の斜里町で3ヶ所の宿泊施設を運営している。コロナ禍でインバウンド需要が消滅し、感染状況によって国内旅行需要も不安定ななか、ただの温泉宿泊施設にとどまらず、知床特有の自然を観光素材とした「ネイチャー・リゾート」となることを目指している。アフターコロナを見据えた取り組みや「ネイチャー・リゾート」に込めた思いなどについて、同社専務の桑島敏彦氏に話を聞いた。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

北こぶし知床ホテル&リゾートの桑島敏彦氏。インタビューはオンラインで実施した。
-まずは施設のご紹介をお願いいたします。

桑島敏彦氏(以下敬称略) 知床半島の斜里町ウトロで3ヶ所の宿泊施設を運営しています。180部屋の「北こぶし知床ホテル&リゾート」、176部屋の「KIKI知床ナチュラルリゾート」、24部屋の「夕陽の当たる家ONSEN HOSTEL」の計380部屋で、3施設とも温泉大浴場を備えています。

-コロナ前のお客様層についてお聞かせください。

桑島 売上比率でいうと、インバウンドが年間全体の13%〜15%でした。北海道の他の観光地と比較すると、インバウンド比率は高くないので、当社へのコロナ禍の影響は比較的小さいと思います。

 国内旅行については、道外からの旅行者が多いのが知床の特徴です。関東圏が非常に多く、売上比率で30%〜35%。道内の旅行者は20%後半くらいになります。宿泊日数については、1泊2食のお客様が多くなっています。

 顧客層については、「北こぶし知床ホテル&リゾート」では70%〜75%が FIT、残りが団体です。夏はレンタカー利用のFITが多く、冬はバスでの来訪が多くなります。

 年齢については、知床エリアでの正式なデータは取っていませんが40歳〜60歳が多いという印象です。

 冬の流氷ウォーク、森の中のネイチャーウォーキング、ベアウォッチング、羅臼でのシャチやホエールウォッチングなどアクティビティが盛んな地域ですので、比較的アクティブな旅行者が多い傾向です。ただ、流氷ウォーク以外はライトなアクティビティですので、ファミリーでも参加しやすく、お子様にとっては一生の思い出になるような体験ばかりです。

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