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「三方よし」を社名に込めて、地域創生を推進へ―ANAあきんど 代表取締役社長 高橋誠一氏

ANAグループの持つソリューションを活かし、交流人口・関係人口の拡大を目指す

 ANAセールスが4月から「ANAあきんど」に商号を改め、地域創生事業と航空セールス事業を担う会社として生まれ変わった。地域と顧客とANAグループが持続的に「三方よし」の関係を維持していける会社を目指すという高橋誠一社長に、社名に込めた思いや今後の舵取りの方針について伺った。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

ANAあきんど 代表取締役社長の高橋誠一氏
-ANAセールスからANAあきんどに商号が変わり、ANAグループ内で担う役割はどのように変化したのでしょうか。

高橋誠一氏(以下敬称略) 3月まではANAセールスとしてグループ内で航空セールスと旅行事業の2つを担ってきましたが、4月からは旅行事業についてはANA Xに再編し、ANAあきんどは航空セールスと地域創生事業の2つに取り組む形で再整理しました。

-商号に込められた思いやロゴの意味を教えてください。

高橋 ANAセールスは、セールスという名称が付いていたこともあって、どちらかと言えば航空会社とお客様との1対1の関係で仕事を進めていく会社でしたが、これから地域創生事業に幅を広げていくとなれば地域社会と、利用するお客様と、ANAグループの3者の関係になります。その3者関係をうまく表現できる商号の候補を探す中で、近江商人が掲げていた「三方よし」の言葉が、我々の目指す姿を表すのに適した表現であると考え、シンプルに「あきんど」で行こうと考えたわけです。また弊社は地域創生事業に関しては後発ですし、インパクトのある商号で出発したいという思いもありました。近江商人が掲げた「三方よし」の関係は一時的なものではなく、継続的に3者関係が良い状態に維持されることを意味します。そういう思いを込めて「あきんど」を商号としました。

 ロゴは欧文表記にし「ANA Akindo」です。英語のkindを、ANAのコーポレートカラーである青(AO)で挟んだ格好です。Kindは地域社会に対して「寄り添う優しさ」を表現すると同時に、「種類」という英語の意味に関連づけて「さまざまなビジネスに携わり課題解決にチャレンジしていく」という考え方も表現したつもりです。

-かなりインパクトのある商号でもありますが、社内外からの評判はいかがですか。

高橋 インパクトのある名前ですので、社外と同様に社内でもさまざまなリアクションがありました。実際に4月に入って、お客様に説明に行くと、「いい名前だ」「やりたいことが伝わる名称だ」「思い切った名前だ」など好評な声があり、段々と定着してきているのを実感しています。また社名やロゴについて一通り蘊蓄を語れることは、セールストークのネタでもあります。我々の仕事はリアルの世界で対面してさまざまな話を交わすことが重要ですので、話を広げていける名称は良かったと思います。

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