観光バスの安心・安全に取り組み、積極的にPRしていく―北海道のドリーム観光バス社長 宗方淳剛氏

厳しい状況だからこそ、ライバル会社と協力することできっと光は見えてくる

-地域に対する取り組みについてお聞かせください。

宗方 2013年に当時のJTB北海道社長が立ち上げた「北海道観光を考えるみんなの会」で、今は副会長をやらせていただいています。この会では、ホテルや旅館だけではなく旅行会社、お土産屋さんも含め、我々事業者が北海道観光について発信していこうと活動しています。コロナの影響を受け、みんなの会として道庁や国会議員の先生に陳情したこともあります。

 取り組んだ内容は、まずは道民を含め多くの方々に、バスは換気・清掃をきちんと行っているので安心・安全だとPRするのが先決だと考え、昨年8月に観光バスをさっぽろ羊ヶ丘展望台に展示しPRイベントを行いました。このイベントは全国放送のテレビ番組でも取り上げていただきました。さらに今年の4月には札幌テレビ放送の人気コーナーでタイアップしていただき、バスガイドに出演してもらってバスの安心・安全をPRすることもできました。

 また、修学旅行や学校遠足等は金曜日に集中するため、バスを1クラス2台に増車したときに本当に手配できるのかが不安視されていました。そこでその不安を払拭するため、みんなの会に参画しているバス会社のバスの空き状況を閲覧できるサイトをつくり公開しました。

-コロナでさまざまな変革が起こると考えられますが、今後の旅行会社との関係や協業についてお聞かせください。

宗方 我々バス会社はどうしてもBtoBになってしまい、BtoCを展開しようと思ってもなかなか上手くいかない部分があるため、旅行会社様とは切っても切れない関係だと思っています。また、これまでインバウンドは価格面で参入できなかった市場ですが、今後は市場にも変化が起き、我々のような国内メインでやってきていたバス会社にも参入する機会があるのではないかと考えています。安心・安全を求めながら海外と国内を交えて、旅行会社様と協力してやっていければと思っています。

-最後に読者に向けてメッセージをお願いいたします。

宗方 北海道の魅力を再発見できるような何かに取り組めたらと考えていますが、その前にバスは安心・安全だということをお客様に伝えていくことが我々の役目だと思い、今一生懸命取り組んでいます。それはどのライバル会社も同じなので、1社の力は小さいかもしれないですが、2社、3社と連携をはかり、仲間意識を持って取り組むことで、いつか必ず光は見えてくると信じています。こういう時だからこそ連携を図って、色々な意見を集約してピンチをチャンスに変えることができると思います。

 コロナが落ち着いたらぜひ北海道に来道していただきたいですし、我々も頑張っていますので、ほかの地域の皆さんもぜひ頑張っていただければと思います。

-ありがとうございました。