マイルのシェアビジネスで日本を変える-MILE SHARE代表取締役社長の森田宣広氏

マイルのシェアで「定額」航空券提供、BtoB展開も
第1種のPINK子会社化、DX推進に取り組む

-MILE SHAREで提供しているサービスについて教えてください
MILE SHAREのウェブサイト(イメージ)

森田 MILE SHAREのサービスは、世界中の余っているポイントやマイルをシェアすることで、シェアしてもらったユーザーが安く飛行機に乗れるようにするサービスです。ポイントやマイルの提供者は、使わず余っているポイントやマイルを現金化できるというメリットがあります。

 取り扱っている路線は、日本航空(JL)と全日空(NH)が各アライアンスで提供しているコードシェア便です。2社のマイル自体は他人とシェアできませんが、ワンワールドやスターアライアンスに所属している米国などの外国航空会社は、実はマイルを他人に譲渡するのが当たり前になっています。

 現在は、外国航空会社のマイルを持つアメリカやヨーロッパのユーザーなどにマイルを提供してもらい、日本人をターゲットにビジネスを展開しています。特典航空券は外国航空会社のマイルを使い、オンラインで発券しています。コロナ以前は年間で約1億マイル程度の取引がありました。マイルが良く利用されているのは国内線で、ビジネスでの利用が大半を占めています。21年4月時点で3万7000人超のユーザーにご利用いただきました。

-新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響についてお答えください

森田 コロナの影響は大きく、昨年の4月、5月は売上が前年比95%から97%減と大幅に減少しました。7月以降はGOTOトラベルキャンペーンがありましたが、我々のビジネスは対象外で、かえってマイナスに働きました。その後は徐々に売上が伸び、40%から50%減まで回復しましたが、年末以降のコロナ第3波で70%減まで落ちました。

 ところが、今年の2月以降は20年比で100%以上と好調です。ある意味コロナの「恩恵」を受けていると思いますが、コロナ禍で1ヶ月以上先の予定を組みにくくなり、これまで航空券を1、2ヶ月前に予約してきた人たちが、1週間、2週間前に予約するようになりました。このため、航空券の早期予約割引が使えなくなり、航空券に支払う料金が増加する傾向にあります。我々の提供するマイルを使った特典航空券は価格が変動しないため、そこがお客様のニーズにフィットし、うけているのだと思います。

-マイルのシェアリングサービスの今後の展望を教えてください

森田 マイルのシェアリングサービスは現在国内線をメインに展開していますが、コロナ収束後は日本発着の国際線の取り扱いを開始し、市場の大きいアメリカに進出したいと考えています。

 また、サービスのBtoB展開も検討しています。既存のサービスから派生させた法人向けのシステムを現在企画・遂行しているところで、年内のローンチをめざしています。