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マイルのシェアビジネスで日本を変える-MILE SHARE代表取締役社長の森田宣広氏

マイルのシェアで「定額」航空券提供、BtoB展開も
第1種のPINK子会社化、DX推進に取り組む

 航空会社のマイルやポイントのシェアリングサービスを展開する第3種旅行業のMILE SHARE。航空会社のルールに則った上で、マイルの保有者と飛行機に乗りたいユーザーをマッチングさせるサイトを運営している。コロナ禍で苦戦する旅行会社が多いなか、今年の4月には第1種旅行業のPINKの全株式を取得して子会社化するなど、積極的な展開を見せる同社代表取締役社長の森田宣広氏に、現状と今後の展望をうかがった。インタビューは4月9日に実施した。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

MILE SHARE代表取締役社長の森田宣広氏
-まずはご自身の経歴を教えてください

森田宣広氏(以下敬称略) 出身地は札幌です。よく自己紹介の時にお話しするのは、「高校に行かなかった、学歴がない人間」ということ。中学を卒業後、建築現場の作業員として働き始めました。

 その後19歳で起業し、携帯電話の販売事業を主軸にスモールビジネスをいくつか立ち上げました。2015年ころからグローバルに展開できるようなスタートアップを立ち上げたいと考え、16年にビジネスモデルを学ぶために、1年に数回シリコンバレーに通いました。当時はUberやAirbnbのようなシェアリングエコノミーが流行り始めていたころで、良いタイミングでいろいろと学ぶことができました。

 そうしたなかで、もともと札幌出身者として不便を感じていた、飛行機での移動コストを削減できるようなサービスはないかと考えました。諸外国に比べて日本は移動コストが非常に高いと思います。例えば欧州の高速鉄道は数千円で乗れるのに比べると、日本の新幹線は高いです。近年はLCCが出てきましたが、航空券も高いですよね。こうしたインフラに対してコストが高すぎる状況を何とか壊せないかと思いました。

 加えて「グローバル展開できるビジネスはないか」という観点で検討した結果、18年3月、MILE SHAREを代表取締役副社長の大下紀孝と立ち上げ、マイルのシェアリングサービスを開始しました。