「旅行業界はヨコ連携の強化を」 個人・業務渡航のアット・ザ・スカイ代表 田中正紀氏
新規事業にも果敢に挑戦、ビジネス領域の拡大で人材のつなぎ止めにも
田中 初めのうちはコロナがいつ収束するのか全く分からないこともあって、とにかく小さなことから始めました。抗菌グッズの販売です。それも店舗やビルの入り口に設置される大きなパーツなどではなく、個人使用の小さなもの。「トラベル抗菌グッズ」として数種類のグッズを、Eチケット用に在庫していたビニールケースに入れて商品化し、500円と1000円の2タイプのセットを昨年春に発売しました。旅館がアメニティグッズとして客室に置いたり、プレゼントしたりする需要を期待し、1000軒ほどにDMしましたが反応は良くありませんでした。宿泊施設も経費削減に必死でなかなか受け入れられずでした。ただし固定客からは反応があり、そこそこ売れています。
田中 抗菌グッズの次に取り組んだのが海外業務代行サービスです。複数の旅行会社が同じようなビジネスを立ち上げていますが、誰もやらないことを手掛けるよりも、誰かがやっている内容を少し深掘りして市場を広げていく方が、当社にはふさわしいと考えています。顧客も多くはないし、自社だけで手掛けられる内容には限りがあるからです。
また海外業務代行という試みは、疲弊している海外のガイド、通訳、オペレーターとのつながりを維持する上で有効です。顧客にとってもリモートワークのために日本で通訳を手配するより、現地の通訳を手配すれば現地事情にも詳しくお客様にとってもメリットがある。そこで昨年秋からコンテンツを広げ、今年3月にリリースして告知しました。
PRの協力が得られたので、300媒体に向けて海外業務代行サービスを開始するとのニュースリリースを配信。オンラインメディアを中心に約40媒体に取り上げてもらいました。
旅行会社は航空券やホテルなどの旅行手配をビジネスとしてきましたが、海外とのコミュニケーション作りの立場で何かできるのではないでしょうか。1社だけでは難しくても、共鳴する仲間を広げていけば将来的には旅行会社のビジネスの1メニューとして組み込めるのではないか。そう考えています。ですから私としては業界に向けて手を挙げたというつもりです。アット・ザ・スカイのホームページにコンテンツを掲載しています。このビジネスに興味がある会社とはページ作成のデータを共有し活用してもらいたいと思います。