観光地の「今」を歩いてみてわかったこと-RT Collection 柴田真人氏寄稿
早いもので第3回目のコラムとなりました。前回、前々回はかたい内容のコラムを書いてしまったので今回は旅コラムっぽくしたいと思います。<前回はこちら>
もともと旅行ブログを運営しているため、旅コラムのような内容の方が実は性に合っているのと、旅行会社の企画畑で育ち現場のリアルな情報を発信したいということもあり、今回は先日訪れた観光地の「今」を書いてみたいと思います。
先日、大阪に行った際に空いた日を使って高野山に1泊、そして京都に1泊してきました。どちらもコロナ前は訪日外国人がたくさん訪れていた旅行先です。欧州にある旅行代理店からの見積依頼には必ずといっていいほど高野山も京都も旅程に含まれていました。
今回の視察の目的は3つです。
・訪日外国人観光客に人気の観光地の「今」を見ること
・観光地の感染症対策を見ること
・観光地では歩いて見て回ること
この3つを意識しながら視察を行いました。
高野山までは特急こうやに乗り、ケーブルカーとバスを乗り継いで向かいます。高野山に向かう特急こうやでは往路で「右」側のシートに座ると景色が綺麗に見れますが、この日は右側のシートにのみ乗客が座っており、左側のシートは全席空席になっていました。そして、ケーブルカーやバスにも空席が目立ちます。
早速歩いて高野山の街を散策し始めたところ、観光客をほとんど見かけず、すれ違う人も100メートル歩いて1人いればいいような状況です。都内にいると全くわからなかった地方の観光地の現状を実感するとともに、一方で金剛峯寺や奥之院を見学させて頂く際はプライベート感もあり、密になるような心配は全くありませんでした。
奥之院に入ると日本人観光客をちらほら見かけるようになりましたが、それでも2019年には高野山に約150万人の観光客が訪れ、約11万人の訪日外国人観光客が宿泊していたことを考えると現状は全くの別世界のように目に映りました。奥之院の参道では行き交う観光客がいないことで神秘的な雰囲気を感じることができ、観光地の魅力を再確認できたのも事実です。
※参考資料:和歌山県観光客動態調査結果概要