ワシントンDCの「今」を駐在員の視点から-ワクチン接種開始で、空港・駅の混雑に変化は?
交通機関の様子
2020年3月中旬から米国の感染者数が広がり始めた時期と比較すると、各交通機関を利用する旅客数は戻ってきておりますが、いまだ利用客の少なさが目につきます。日本でもマスク無しでは公共交通機関を利用しづらい雰囲気かと思いますが、CDCは米国内の公共交通機関および施設内にてマスク着用を義務付ける措置を発表し、2021年2月1日より発効しました。2歳未満、飲食時等を除いて原則全利用者が対象となっています。
東京/ワシントンDC間の航空便は、新型コロナウイルス発生以前はユナイテッド航空(UA)と全日空(NH)がそれぞれデイリー運航していましたが、現在はUAが無期限運休、NHが週3便の運航を継続しています。
筆者が1月下旬にダレス空港を訪れた日はNHの羽田便の運航日でしたが、チェックインをする利用客は依然少なく、週3便でも需要が追いついていないように感じられました。ダレス国際空港の海外エアラインカウンターは運航中止のため閑散としているのとは対照的に、国内線を多く運航しているUAカウンター前には、常に一定数の利用客がいる状態となっていました。
米国系航空会社は運航中止、または減便していた国内路線を段階的に再開しており、実際ワシントンDC周辺の空港の出発案内は1カ所に複数枚設置されているモニター全てに出発情報が埋め尽くされており、国内線の便数は戻ってきています。
TSA(Transportation Security Administration:米国運輸保安庁)は、新型コロナウイルス発生以降、米国内の全空港のセキュリティチェックポイントを通過した総旅客数を毎日発表しています。最新の集計では、2021年1月は前年比38.10%、最も落ち込んだ前年比5%以下の時期からは緩やかに旅客数は回復してきています。メディアの報道によれば米国の航空旅客数は2019年比で2021年は約50%、2022年は約75%、2023年は約90%、2024年は100%超の回復と予測されています。
2021年2月現在、遠距離列車を運行するアムトラックは、全米各路線で本数を減らして運行し、乗車率を制限する措置も継続して実施しています。ワシントンDC/ニューヨーク間はアムトラックの旅客が多い区間ですが、筆者が1月下旬にその区間を利用した際は、乗車率10~20%程度で想像していたこととはいえ実際に状況を目の当たりにするとあらためて切ない思いでした。
アムトラックではウェブサイトやアプリのチケット予約・検索の画面上で、各列車の総座席数から販売された座席の割合を表示するサービスや、新型コロナウイルスの衛生対策として車両と駅の施設への消毒作業が新たに実施されています。
ワシントンDCは他の州に比べると陽性者数が少ない地域です。ワクチンの安定的な供給が1日でも早く進み接種できる人々が増え、アメリカの首都がアフターコロナの幕開けの道標を示してくれる事に期待して、市ひいてはアメリカ国内が安定する事を切に願います。
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