韓国の「今」を駐在員の視点から-コロナ感染状況と防疫規制、観光地とショッピング街の現状

昨年11月からの第3波、現在の感染状況
罰則を伴う防疫規制の実施、地下鉄や空港情報も

本稿は、トランスオービット 韓国社長の金清氏より寄稿いただいています。
昨年8月のレポートはこちら

 韓国でも昨年の11月に入ってから新型コロナウィルスの第3波に襲われ、新規感染者が急増していましたが、12月24日の1237人をピークにつけた後は早いペースで新規感染者数は減少、今年の1月10日からは1週間連続で500人台を保っています。

 まだ安心ができる水準ではありませんが、日本と比較して一足早く新規感染が落ち着き始めたのは、韓国で年末から実施された罰則を伴ったより厳しい規制にあるかもしれません。誰もが予想できなかった長い闘いとなりましたが、世界各国の新型コロナウィルスの感染状況が好転し、日本人をはじめとする多くの旅行者を韓国にお迎えできるようになることを願っています。

 今回は韓国の新型コロナウィルスの現在の感染状況、実施されている規制、日本からの観光客も多く訪れていた人気のショッピングスポットなどを、現地ソウルよりレポートさせていただきます。

南大門市場入口

韓国における新型コロナウィルスの状況

 韓国では昨年の2月下旬から3月中旬にかけて第1波、8月中旬から9月初旬にかけて第2波、そして今回の11月中旬からの第3波と、合計3回の新規感染者数増加の波がありました。クラスターの発生は主に、宗教施設や療養施設、職場、屋内スポーツ施設、レストラン、教育施設などで見られ、経路不明、無症状の患者による家族間感染も多く発生していました。

 今回の第3波は前述の通り12月24日の1237人がピークとなり、以降急速な減少傾向をみせて現在では500人台と決して少ない人数ではありませんが、韓国では徐々に落ち着きを取り戻しつつあります。クリスマスイブから年始にかけては、5人以上の会食の禁止、カラオケボックス、屋内スポーツ施設の営業禁止、スーパー等の小売店の営業を午後9時までとする等より厳しい罰則を伴った規制を実施した結果が、現在の感染者数の減少に現れてきていると分析されています。

 韓国におけるワクチン接種は2月から始まり、接種の優先順位は医療従事者や高齢者、空港港湾従事者などからとなる予定です。心配されている新型コロナウィルスの変異種による感染者は、韓国内では現在16名が確認されています。

韓国全体発生者数(2021年1月25日現在)
感染者 死者数 隔離解除 致命率 総検査者 検査中 総陰性結果
7万5521人 1361人 6万2956人 1.80% 537万6086人 13万4549人 516万6016人

データ出典:CoronaBoard (KCDC)

主要地域発生者数(2021年1月25日現在)
地域 感染者 検査中 死者数 隔離解除
首都圏(ソウル・京幾道・仁川) 46,201 8,145 761 37,295
慶尚南道(釜山含む) 4,484 683 95 3,706
済州島 518 30 0 488
大邱 8,250 163 207 7,880

データ出典:CoronaBoard (KCDC)