旅行会社はSDGsをどのようにツアーに取り入れていくべきか

  • 2021年1月20日

インナーブランディングで自社の「旅行会社らしさ」を教育
SDGsは社員と旅行者に向けての情報発信で可視化が必要

手遅れになる前にSDGsに取り組む行動を

 現在、国内ではSDGsに取り組んでいるホテルが増えており、ホテルのコーポレートサイトでどのような取り組みをしているかを確認することができます。例えば、プラスチック削減に取り組んでいるホテル、地産地消に取り組んでいるホテル、フードロス削減に取り組んでいるホテルなど。また、環境に配慮したツアーや地域の伝統文化の体験ができるツアーを実施しているツアー会社もあります。

 海外では日本以上にこの分野において先をいっているので、ホテル以外にも旅行会社やオプショナルツアー会社、そして都市全体でもSDGsに取り組んでいるところが多くあります。実際に海外の旅行代理店と新規契約をする際、SDGsの取り組みについて契約前に聞き取りをされることがすでにあります。もし取り組みをせず、情報発信もしていなければ、今後契約ができない可能性も出てくるでしょう。

 社員1人1人がSDGsを意識して商品造成をしていくことで商品価値は上がり、そして企業価値も上がります。そして、取引先や外部からも評価されるでしょう。

 新型コロナの影響で「サステナブルツーリズム(持続可能な観光)」は、今まで以上に注目されており、各旅行会社は取り組んでいかなければなりません。特に中小旅行会社は取り残されないように1日でも早く未来への目標を設定し、行動を起こしていきましょう。

 「止まない雨はない」といいますが、雨が止む前に行動を起こしましょう。

<参考文献>
村山慶輔 観光再生 サステナブルな地域をつくる28のキーワード/プレジデント社/2020年
井尻雄久 「売れる商品」の原動力 インナーブランディングの思想/論創社/2016年

柴田 真人 / Masato SHIBATA
大学生時代にオーストラリアのタスマニア島で過ごし、旅行会社に就職。15年間の旅行会社勤務時代には主に東南アジア方面の仕入れや企画に従事。また、フィリピンでの5年7ヵ月間の海外赴任を通して、アウトソーシング事業の立ち上げからインバウンド事業における現地支店の立ち上げ及び日本マーケット初のチャーター便運航のプロジェクトなどを経験。その後、2018年に合同会社 RT Collectionを設立。