続くコロナ禍、逆境に立ち向かう2021年-年頭所感(2)(旅行会社)
昨年から続くコロナ禍で観光業界は大きな打撃を受けている。そんななか新年を迎えた2021年は、国内での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の変異種の確認、昨年末から1月末までの一部の国・地域を除く外国人の新規入国の停止など、厳しい状況でスタートした。東京オリンピック・パラリンピックの開催が予定されてはいるものの、業界にとって逆風が続くであろう21年だが、旅行・観光関連のトップの年頭所感は逆境に立ち向かおうと前向きな姿勢を見せている。そうした業界団体や大手旅行会社、航空会社、観光庁などの年頭所感について、今年は全文を掲載する。第2弾は旅行会社のトップなど8人の年頭所感を紹介する。
JTB代表取締役社長執行役員 山北栄二郎氏
人の旅への想いは不変 中計で新しい交流時代を切り拓く
2020年は、世界中の人々にとって新型コロナウイルス感染症の拡大に翻弄された一年となりました。とりわけツーリズム産業へ与えた影響は甚大で、残念ながら今もなお深刻な状況は続いております。2021年のスタートにあたり、ワクチンの開発・接種に関する明るい話題はあるものの、国境を越える人々の往来が可能.....続きを読む
エイチ・アイ・エス専務取締役 HIS JAPAN プレジデント 中森達也氏
既成概念にとらわれない商品でコロナ禍を乗り越える
2020年を振り返ると、新型コロナウイルス感染症によって、旅行市場はもちろん、観光業界、経済活動全般において、過去経験した事の無い深刻な状況がもたらされ、今も危機が継続しているというのが実感です。コロナ禍に伴い様々な変化がもたらされました。最も大きく変わった点を一つ上げるとすれば、コミュニケー.....続きを読む
KNT-CTホールディングス代表取締役社長 米田昭正氏
構造改革で専門性を磨き、唯一無二の存在へ
昨年のわが国経済は、世界中を震撼させた新型コロナウイルスの感染拡大に伴い第1四半期の国内総生産が戦後最悪の落ち込みとなるなど、極めて厳しい状況で推移いたしました。旅行業界におきましては、海外旅行および訪日旅行の催行がすべて中止となったほか、国内旅行についても団体旅行部門では中止や延期が多発したものの.....続きを読む
日本旅行代表取締役社長 堀坂明弘氏
人を活かした付加価値のあるサービスを追求
2020年度は新たな中期経営計画「TRANSFORM 2025」のスタートの年でしたが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、国内旅行、海外旅行、インバウンド、全てのマーケットがほぼ消滅してしまうという未曽有の事態に直面しました。7月から開始された「Go Toトラベルキャンペーン」によりよう.....続きを読む
阪急交通社代表取締役社長 酒井淳氏
DXの象徴的な年に「新しいものを生み出す」一歩を
2020年は、世界規模で新型コロナウイルスによる未曾有の危機に見舞われ、あらゆる業種を取り巻く環境が大きく変貌しました。感染症と向き合う生活様式や社会全体の仕組みと構造の「変化」は、ニューノーマルへの対応を余儀なくさせ、様々な規制改革、デジタル化推進、経済再生は企業が率先して取り組むべき課題として位.....続きを読む
ジャルパック代表取締役社長 江利川宗光氏
21年は意志をもって切り拓く「新開国元年」
世界中が新型コロナウィルスに翻弄された2020年。どうも好きになれなかった流行語に『ニューノーマルな時代』があります。意味するところが曖昧であることに加え、ノーマルと一方的に決めつける様な押し付けがましさを感じてしまうからです。迎えた2021年。新たな年を、コロナ禍に強いられた『ニューノーマル.....続きを読む
ANAセールス代表取締役社長 高橋誠一氏
進化と領域拡大で事業再編 新しい旅づくりに挑戦
2020年はこれまで経験したことのない大変厳しい1年となりましたが、一方でテレワークやオンライン会議などをはじめ、社会の新しい動きが登場、進展した1年でもありました。ANAトラベラーズでは「あんしんの約束」を基盤に、三密回避の商品をはじめ、ワーケーションやオンラインツアー、A380を使った遊覧チャー.....続きを読む
東武トップツアーズ代表取締役/社長執行役員 坂巻伸昭氏
リアルこそビジネスの源 ニューノーマルは「自ら創る」
昨年は、新型コロナウイルス感染症が人類に劇的な変化をもたらした年となりました。あたりまえとなっていた人的交流や物理的な接触が制限されたことにより、私たちの生活習慣や価値観も大きく変化しました。テレワークやバーチャルコミュニケーションが新常態となったこの流れは今後も続くと思います。一方で、リアルに接触.....続きを読む