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「コロナ禍で原点回帰、明るい光が先に見えている」
クラブツーリズム代表取締役社長 酒井博氏-新春インタビュー

「クラブツーリズム ニュースタイル」で新機軸
「新・クラブ1000構想」をプラットフォーム化

—コロナ禍以前から、欧米を中心にサステナブルツーリズムが注目されています。地域の持続可能な観光について、クラブツーリズムとしての考え方はいかかでしょうか。

酒井氏 酒井 これは、さらにやっていかなければならない。地域に眠っているマイナーなお祭り、マイナーな食など、まだまだいいものがたくさんある。こういった素材にフォーカスするツアー造成をここ10年くらいやってきた。自治体などと一緒に造り上げていくと、地域は自分の魅力に気づく。そういうところがまだ日本にはたくさんある。それが、地域の持続的観光を可能にするサステナブルツーリズムにつながるのだろう。

 また、Go Toトラベルでも分かるが、週末やメジャーなところはやはり密になっている。場所と時間の分散化を進めるうえでも、サステナブルツーリズムは大切なことになってくると思う。

—新型コロナウイルス収束後の需要動向については、どのように予測していますか。

酒井 Go Toトラベルで分かったが、「旅行したい」という意欲はとんでもなく高い。それを考えると、アウトバウンドが本格的に再開されたときには、海外旅行バブルが起きるのではないか。まずはアジアあるいはオーストラリア。2035年くらいまでは海外旅行にアクティブな人たちは減らない。2019年の2000万人に戻るには5、6年かかるかもしれないが、戻らないことはないだろう。

 インバウンドについては、アウトバウンドと需要回復のタイミングは同じになるのではないか。問題は、そのときの供給量だろう。業務渡航については、観光より遅れると思う。

—アフターコロナではどのような旅行が売れると思われますか。

酒井 ワクチンができたとしても、安全安心はやはりキモになるだろう。今でも3密回避などには取り組んでいるが、アフターコロナでも混んでいるところに行くような需要は減るのではないか。また、新型コロナウイルスによって時間と場所の分散は進むと思う。オーバーツーリズムの解消にもつながっていくだろう。

—Go Toトラベルをどのように評価されていますか。

酒井 国の需要喚起事業としては、いいことだと思う。これがなかったら、弊社は死活問題になっていただろう。我々も救われたが、宿泊施設、交通事業者、お土産屋など観光事業者にとっても助かったのではないか。我々としても、このキャンペーンによってお金が回り始めたのを実感した。冬になれば、感染が拡大すると言われていたので、Go Toトラベルは一度停止される可能性があると覚悟していた。10月、11月の売上は伸びたが、その後は3割ぐらい落ちるのではないかと想定していた。結局、年を跨いで全国一斉停止になったが、我々も含めて観光業にとっては大きな痛手になるだろう。

—最後に、旅行業界へのメッセージをお願いします。

酒井 下を向いても仕方がない。明るい光が先に見えていると思う。しかし、コロナ前に戻すべきではない。昔の大量販売にならないように、みんなで考えていかなければならないだろう。

—ありがとうございました。