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【ホテル座談会・後編】旅行会社とホテルの関係は?ウィズコロナのおもてなしとは?

GOTOトラベルは直販化のチャンス
コロナ対策とおもてなしの共存で差別化を

-旅行需要が回復するのはいつくらいだとお考えですか

ポストコロナを見据えて準備が進む大阪万博。8月にはロゴマークを発表した 小林 航空会社は需要回復に3、4年かかるといっていますね。コロナのワクチン開発が進んでいますが、おそらく来年の東京五輪には間に合わないので、回復は早くとも2年後だと思います。2025年には大阪万博がありますが、それまではIRなど、何か目玉がないと回復は難しいのではないでしょうか。

本間 プリンスホテルとしては、24年以降にならないと需要は戻らないだろうとみています。まずは国内の基盤を固めることが重要ですし、オーナー様にもご理解いただいています。知名度はまだ低いので、今はブランディングをしっかり固める時期と思っています。

西村 個人的にはインバウンドなくして旅行の復活はないと考えています。ワクチンができれば、ある程度交流は復活するでしょう。インバウンドの7割以上を占めていた中国との往来が復活すれば、ビジネスがだいぶ上向きになるのではないでしょうか。そのためには、日本人が「ウェルカム感」を出さないといけないと思います。

-日本へのインバウンド需要は今後どうなるでしょうか

西村羽田空港国際線ターミナルの様子。カウンターに列をなす訪日外国人の姿が戻るのはいつになるのか  インバウンドは国との距離と人口、2国間のフライト数で決まると思っています。欧米からインバウンドが戻るのは当分先でしょうし、航空会社が大型機材を手放すなか、ビジネスとして数を取るなら、飛行時間が8時間以内で人口が多い北東・東南アジアだと思います。

小林 コロナ前は宿泊客の4割がインバウンドだったので、インバウンドが消えたのは痛手です。大阪はここ数年、インバウンド需要が伸びたことでホテルが増えたので、現在は供給過多で値下げ合戦が起きつつあります。インバウンドの回復に期待したいところです。

 方面としては中国、ベトナム、韓国に注目しており、この3ヶ国からのインバウンドが戻れば、大阪・近畿圏内は復活すると思います。

本間 プリンスホテルグループ全体としてはアジアに注目しています。海外営業所も活動を続けており、アジアについては団体へのアプローチを継続しています。

 グループ全体としては、インバウンドツアーで500室の規模のホテルにお客様を入れて稼働を高める戦略でしたが、私たちのホテルの場合、もともとは国内需要で基盤をつくり、将来的には4割をインバウンドにする予定でした。今後はプリンスグループとは違う戦略を考えていく必要があると思っています。

-コロナ禍で生き残るためにコストセーブなど対策を練っていらっしゃると思います

西村志摩観光ホテル(イメージ)  ホテル内の部門の壁を取り払い、タスクシェア、タスクシフトに取り組んでいます。また、社員がホテルに出張して手助けをしており、私も志摩観光ホテルへ約1週間行く予定です。さらに客室のアップグレードなどをしながらアサインを固めて、使わないフロアを設定して光熱費を下げたりもしています。

 直前予約が増えており、清掃対象の客室がいきなり追加になるので、清掃スタッフの配置に苦労しています。他部門のスタッフが手助けしていますが、現場は大変な状況pです。

小林 清掃会社への委託をやめて、自分たちで掃除をするなど工夫をしています。稼働率が4割程度なので、スタッフで十分に対応できます。

本間 当初の想定以上に稼働が一気に伸びてきていて、人手が足りていません。コストセーブをするというのではなく、お客様の不満につながらないように人手不足をフォローし、お客様の満足度を高め、将来の宿泊につなげられるように努力しています。