ウィズコロナの現地レポート、カナダ編-世界の「今」を駐在員の視点から
カナダの入国状況と観光主要7地域の9月上旬現在の様子をお伝えします。
カナダへの入国
カナダ国籍保有者、カナダ永住権保有者、およびその近親者以外には現在入国制限が課されています。
当面の間、外国籍保有者は有効な観光ビザ、および事前申請のeTAを所持していてもカナダに入国することはできません。新型コロナウイルスに感染している外国人や症状を呈している外国人は、引き続き入国禁止です。
カナダ入国者は症状の有無にかかわらず、例外職種を除いて、入国後14日間の自己隔離が義務づけられており、入国審査時には自己隔離期間中の隔離計画の聴取が行われます。
この自己隔離措置は9月30日まで現在延長されています。
与えられた指示に従わない者や違反者には最大6か月の懲役、および、もしくは750,000カナダドル(6088万円相当)の罰金が課されることがあります。
100名以上の宿泊を伴う大型クルーズ船のカナダ海域への進水は10月31日まで禁止されています。12名以上積載の船舶がヌナブト準州、ラブラドール近海を含むカナダ北極圏へ航行・寄港することも、10月31日まで禁止されています。
隣国アメリカ合衆国との国境往来制限は9月21日まで延長されており、この延長は現在4回目となります。
ワーキングホリデーについては、 入港許可書(Port of Entry Letter of Introduction)取得済みで、 かつ、有効な雇用のオファーを持っている場合のみ、入国が認められます。また9月上旬にワーキングホリデー利用者の入港許可証有効期限の延長を最大1年間認める旨の政府発表がありました。
空港の様子と日本間フライトの運航状況
国内の多数の空港は関係者と上記条件で入国および出国した旅客のみ立ち入りが許可されています。
国際線は,トロント,モントリオール,バンクーバー,カルガリー空港での発着に制限されており、日本間のフライトは9月上旬現在以下の通りです。
バンクーバー~東京:9月から10月は週5便
トロント~成田:10月1日より再就航予定。週3便
バンクーバー~東京便:9月は週2便運航
(JL018 水・土運航、JL017 木・日)
バンクーバー~羽田便:週3便、月・水・金曜日での運航
観光主要7地域の現状
バンクーバー
空港は乗客と関係者以外は入港することが出来ません。
ブリティッシュ・コロンビア州は経済再開段階のフェーズ3に入っており、バンクーバー市内、また近隣地区の観光箇所では事前予約制の入場体制を取っているところが多くみられます。
公共交通機関トランズリンクではマスク着用が義務化されています。
レストランは各自治体の条例に従い、テラス席を増やす、テーブル間隔を開けるなどしてイートインのリクエストに対応。
感染トラッキングの為に氏名、連絡先、人数等記入した用紙にサインを求められることもあります。
中にはテイクアウトに営業を全切り替えし、生き残り作戦を展開しているレストランもあります。
ホテルは去就を分け、4つ星ホテルのトランプインターナショナルホテルが閉業。
残っているホテルは新規制の下で、稼働を再開しています。
一例として、カナダに数あるホテルグループの中で、州政府の要請に従い、独自のクリーンプログラムを実施する日系ホテルグループの新型コロナウイルス対策の取り組みを紹介します。
コーストホテルチェーン
コースト・コールハーバー・バンクーバーホテル バイ アパ
国とホテル業界の指導要領に沿った感染防止対策の完全実施、お客様と従業員の健康と安全を守り、クリーンで安全な宿泊をご提供するために世界的な公衆衛生・感染予防会社であるエコラボ社と提携開発した、コーストホテルチェーン独自の衛生ポリシー。
https://www.coasthotels.com/coronavirus-travel-info/coast-clean/
・使用後の客室は稼働率を鑑み、次の宿泊客滞在まで24時間から48時間空ける
・全ホテルスタッフの手洗いと消毒の励行
・フロントデスクでは、アクリル製の仕切り版を設置して飛沫を防止
・フロント以外のスタッフは、マスク着用
・体調チェックのマニュアルにより、事前に勤務前の体調確認が可能
・床にはソーシャル・ディスタンス・マーカーを貼り、物理的距離確保の指標設置
・消毒用ハンドジェルを設置
・プールやジムの利用時間の短縮。利用人数はプール、ジム4名まで、1時間までの利用。フロントデスクからの予約制となる
・レストランの収容人数を通常より少なく設定
・出入口を変更し、人の流れを一定に保つことで接触を最小限に抑える
・感染トラッキング目的で、レストラン利用者の名前と連絡先情報を控える
・営業時間短縮による予約推奨
・パンデミック宣言以降、キャンセルが相次ぎ稼働率は大きく落ち込んだものの、大都市を除くホテルで夏季休暇需要もあり、現状、昨年の6・7割に回復
・経済再開フェーズに合わせ、時流に合わせた下記プランを発表し、稼働率が上昇 ・国内の州内移動が一部可能になり、車移動、小グループ増加を想定、少しでも出費を抑えてもらう目的でガソリンカード付宿泊プラン ・キャンセル条件を緩和した期間限定ディスカウント