出国者2000万人達成で祝賀会、官民から250名超が出席
観光庁と日本旅行業協会(JATA)は1月27日、2019年の総出国者数が前年比5.9%増の2008万600人(推計値)に上り、旅行業界が長年目標としてきた年間出国者数2000万人を初めて達成したことを記念し、国土交通省内で「日本人海外旅行者数2000万人達成祝賀会」を開催した。官民でめざしていた「20年までに2000万人」をの目標を1年前倒しで達成したことを祝し、旅行会社や関係団体、各国の駐日大使館・政府観光局、観光庁などから計250名以上が参加した。
冒頭で挨拶した観光庁長官の田端浩氏は「旅行振興課長時代から皆さんとともにアウトバウンド振興に取り組んだ成果が、今回の2008万人となった」と述べ、参加者に謝意を示すとともに、改めて外交上の観点におけるアウトバウンド振興の重要性を強調。今年については、3月の羽田空港の国際線発着枠拡大や那覇空港の第2滑走路供用開始などについて言及した上で「アウトバウンドにとって好材料だらけ」と述べ、旅行会社には新たな商品造成を促した。
続いて挨拶したJATA会長の田川博己氏は、参加者に感謝の言葉を述べるとともに「JATAは2020年代を『交流新時代』と考える。すでにインバウンドとアウトバウンドの合計は5000万人を超えたが、6000万人の高みをめざして皆さんと協力している」と説明。今年については、観光庁が掲げる訪日外国人旅行者数4000万人の目標達成に向けて取り組むとともに「訪問国のマルチ化を一層推進し、世界のさまざまな国と双方向交流を深める新時代の幕開けの年にしよう」と呼びかけた。
田川氏はそのほか、拡大が影響される新型コロナウイルスについても言及。「これまでにもSARS(重症急性呼吸器症候群)などを経験したが、常に乗り超えて前に進んできた。力を合わせて乗り切ろう」と述べ、各方面に協力を呼びかけた。
その後は来賓として、全日空(NH)取締役常務執行役員の稲田健也氏、日本航空(JL)執行役員の柏頼之氏、ユナイテッド航空(UA)日本・ミクロネシア地区営業担当支社長で外国航空会社在日航空会社代表者協議会代表の高橋亨氏、イスラエル国特命全権大使のヤッファ・ベンアリ氏、コネクトワールドワイド・ジャパン日本事務所代表取締役社長のマージョリー・デューイ氏、日本空港ビルデング代表取締役社長の横田信秋氏、ラティーノ代表取締役で日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)副会長の田中純一氏、国連世界観光機関駐日事務所代表の本保芳明氏が順に挨拶。乾杯の音頭は国土交通副大臣の御法川信英氏がとった。
なお、コロナウイルスについてはこのうちNHの稲田氏が、同社が成田/武漢線を運休していることを説明するとともに、過去のSARSなどの経験をもとに、各種の取り組みを進めていることを強調。参加者に「訪日4000万人、アウトバウンド2000万人以上の目標に向けて頑張りたい」と支援を求めた。OTOAの田中氏は、観光庁が昨年の7月に試験運用を開始した「ツアーセーフティネット」に同会が都市別安全情報を提供していることをアピールし、活用を促した。